クズの子 (ページ6)

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タイトルページ6

ゴトリ

グクのスマホが落ちた音だ

「え……？」

『え、あ、だれか、』

「……………いるみたいだね」

『え、まって』

多分、グク

だって、グクの靴だった

やばい、また見られた

『まって、まって監督』

「大丈夫、直ぐ帰ってくるよ」

違う

そんな事、別にいい

『はぁ、はあ、』

グク、逃げて

『っやめて、』

グク、お願い

『かんとく、』

『行かないで……』

立てない

腰がガクガクして

歩けない

「……A君、大丈夫だよ。上手くやるから」

『ううん、大丈夫。多分、メンバーだから、』

「尚更駄目なんじゃないか…？」

『りかい、してくれる人だから。いいよ、続きしよ』

「……もう僕はA君達の撮影には回れないね」

『僕が、個人で会いに行くから、それじゃ駄目？』

「ありがとう、A君。でも危なかったら、あの薬を使うんだよ？」

『………うん。グクは、薬が効きやすいから、多分大丈夫……』

「ん？」

『何でもない。気持ちい』

ごめんねグク

失望させちゃったかな

『あっ、あっ、あっ』

「気持ちいい？………

泣かないで、A君」

『んっ、ん、あ、あぁっ、ぅ、』

ごめん、ごめんグク

ごめんなさい

でも、こうするしかないんだよ

僕は悪い子だから

びっちだから

『いく、あ、』

僕は、いつ間違えたんだろう

いつから、ここに来ちゃったんだろう

いつ、ここから抜け出せるんだろうか

ねえ、グク

ヒョン

僕が悪い子だから、ずっと抜け出さないのかな

助けて、って言えたら、いいのに。