【岩泉 一】裏切られた姫は大魔王の支配下へ

第8幕 ページ9

.









.









及川)「君はこの城に迷い混んだお姫様と言うわけだ」





　 得意気に私が座っているベッドの横に腰掛け語りかける魔王






貴方)「……っ………」





及川)「そんなに警戒しないでよ、別に取って食おうなんて考えてないからさ」






　 そう言いながら私の髪の毛を撫で、ドレスを舐め廻す様に見る







.





及川)「こんなに染まっちゃって…





　どれだけの惨い行いをしたんだい…」





.




　 私の耳元で囁く魔王








　 やめて………ッ…







.





及川)「 君は誰よりも美しい





　 けどその純粋な美しさが今漆黒に変わりつつある…







　 誰だい……








　 そんな事をさせたのは…









　
　 君をこれ程までに変えてしまったのは…」









.




　 やめ………ッ…て…









.








及川)「＿＿＿＿＿








.









＿＿＿＿＿＿＿"教えてよ"」









.







　 ッ…!!!!!!!?









貴方)「…っぁああ"!!!!!!!!!?」









.


　 その瞬間



　 自分でも何が起こったか



　 何をしたかはわからない







　 手から黒い光が勢いよく飛び出す。








　 そして手足や額には大量の汗






　 荒々しい息








　 目の前の魔王は後ろの壁へと叩き付けられていた







.







及川)「…………ッ………」






.




　 やめて…






　 これ以上苦しみたくないの………ッ…!?







　 私は信じる事が出来ない…





.




　

貴方)「…く………来るな…………ッ…」









　 魔王は痛めた体を徐々に起こし、ゆっくりと近付いてくる






　 私は先程より警戒心を高め魔王を睨み付ける





.







及川)「…怖いんだろ、信じるのが」









　 だがその言葉で思考が止まる。

第9幕→←第7幕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す