幻想のゲーム (ページ10)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:315 hit

8話パーティページ10

ワタシがクロードさんを連れてくると、ホールでは既にパーティが始まっていた。
　パーティはとても華やかではあったし、それぞれの国の料理が置かれていたため、ワタシも食べやくす安心した。
「あら？この食べ物初めて見るわ！ Aの国の料理かしら？」
「はい、それはお寿司という食べ物です。上に乗っているのは魚ですから安心して食べてください。」
　ワタシがそう言って進めると、クロードさんは手元にあるナイフとフォークを取り出す。
「ちょっ！そんなものは使いませんよ！！」
「ならどうやって食べるの！？」
　そうか……外国では箸を使う文化がないのか……
　本来なら箸を使って食べる方がいいと思ったが、ワタシは手で食べることを勧めた。
「ん〜〜！！とっても美味しいわ！！ものによって魚が違うのもいいわね！」
「うわぁ……ガラテアそんなのよく食べれるね……だって生だよ？」
「あら？トレイシーじゃない！そんなこと言ってないで食べてみたら？意外といけるるわよ！」
　そう言うと、クロードさんはどこからともなく現れたレイズニックさんに無理やりお寿司を食べさせる。
　そういえば、他の参加者との交流を拒むのはご法度らしいが……あのグルカ兵は大丈夫か？
　ワタシはホールを見回す。
　だが、何処を見てもグルカ兵の姿はなかった。どうやらグルカ兵は、パーティには参加していないらしい。
　協調性のない所に呆れてきたのか、ワタシは深いため息をついた。
「おや？どうされましたか……ため息などついて。」
　そう話しかけてきたのは、先程まで一人寂しくご飯をつまんでいたオルフェウスさんだった。
「あのグルカ兵のことです。あの人は戦争を経験しているようなのですが、あの協調性のなさ……立場が同じだからこそ心底呆れます。」
「立場が同じ……？そのような事は簡単に言わない方がいいでしょう。同じ職業と言えど、それぞれ居た場所も、状況も違うでしょうから。」
　オルフェウスさんは私にそう説いてきた。だがワタシはそれに対して何も思うことが出来なかった。彼の言うことが正しいのはわかってはいるが、ワタシだって多分内心ではわかっている当たり前(・・・・)のことなのだ。十人十色……十人いればそれだけの考えがある。同じ人がいないというのはわかっているが、彼の行動に対して思うところがあるワタシの考えが間違っているとも思えない。だから違う人間として少しいいに行こうと思い、彼の部屋まで向かった。