6話 機械技師 ページ7
「なぁな? そういえば、お前らは誰なんだ?」
レイズニックさんはケロッと笑いながらそう聞いてくる……さっきまで命乞いでもするように言い訳を並べていた人とは思えない開き直りっぷりですねえ……
「私はガラテア・クロード、『彫刻師』よそれにしても、貴方とても可愛らしい顔ね」
「ゴホンッ……その口説き文句のような褒め方本気でやめた方がいいですよ……ワタシはフナサカA『軍人』をしておりました。だから勿論、人を殺すことに躊躇いはございません」
ワタシが自己紹介を終えると、クロードさんは「貴方もね」とクスクスと笑っていた。
ワタシはクロードさんよりはマシですと何度も言うが、クロードさんはまた笑いながら受け流す。
「お前ら二人共仲がいいんだな!」
その一言に対してワタシ達は、真逆の答えをぶつける。
「そうだ! 親睦を含めるついでに三人で夕食まで話さないか?」
「あら、ごめんなさい……私これから作業をしようと思っていたの」
クロードさんは、本当に残念そうな顔をして「じゃあ、また夕食の時に会いましょ」と手を振って別れる。
クロードさんは丁寧に、車椅子用の道をすいっと降りていった。
うん? この道があるならワタシ入らなかったんじゃ……
「クロードさんっ貴方ワタシを騙しましたね!?」
「足じゃ行けないとは言ったけれどここまで来れないとは言ってないわ! 私用の道を見つけていたもの!」
無意識に、背中にあった小銃に手をかける。
「ま、まぁ!! 人助けは大事だよ!?」
レイズニックさんは慌ててワタシを止めようとする。
別にそんなに焦らなくても本気ではないんですから……
「冗談ですよ。さっさと行きましょう、話をするのでしょう?」
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Ann | 作成日時:2023年11月3日 21時