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3話 片眼鏡の男 ページ4
「おや？ 新しい人が来ましたか」
荘園内に入ると片眼鏡の男が、ワタシ達に向けてそう言葉を放った。
「貴方は外国の方でしょう？ 随分日本語がお上手ですね」
「あぁ、これのことですか。これは荘園から支給されたものですよ。耳の後ろにつけると他の方の言語を自動で翻訳してくれるようですよ。」
「それは分かりましたが……ワタシはつけていないのに何故あなたの言葉が……？」
そう訪ねると、男は難しい顔をして自分の耳の後ろの機械を触るような仕草をする。
「それは、私にもこのシステムがまだイマイチ理解できていないんですよ。そうです、名乗り遅れていました。私はオルフェウス、小説家です」
「オルフェウス……すいません。ワタシは戦場にずっと居たもので、本などに触れる機会が全くなかったものですから……」
オルフェウスの顔に張り付いていた笑顔が微妙に崩れた気がしたが、彼は笑って「そうですか」と返してきた。
「部屋に行くと、この機械がありますから早く行くといいでしょう。」
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作者名：Ann | 作成日時：2023年11月3日 21時
