幻想のゲーム (ページ11)

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9話傭兵ページ11

「入っても？」
「……」
　返事が返ってこない。
　この無言が入ってくるなという意味だということは理解できる。
　だからこそ、ワタシは兵士として生きた持ち前の根性で扉を蹴破り中へと入った。
　その行動に、さすがの彼もびっくりしたようで目を見開いていた。
「この程度で驚いて、よく今まで生きておりましたね？」
　少し小馬鹿にしながらそう言うと、グルカ兵は怪訝そうな顔をしていた。
「まぁ、少し話でもしませんか？ワタシ、あなたと仲良くなりたいんです。」
「俺と？」
「はい、グルカ兵のあなたは知っていらっしゃると思いますが、ワタシあなたの事嫌いですよ。そもそも敵国の兵は皆敵のようなものですからね、いくら協定を結んでいてもいつ裏切るかわかったもんじゃない。」
　戦争はそんなものだと、まるで子供に説くように順を追って説明していく、話が中盤まで行ったところで、流石に嫌気がさしたようで「要件はなんだ？」と怒りの感情を交えて急かしてくる。
「はぁ、少しは待てないんです？要件、要件ですか……ワタシはただ貴方へ悪口を言いに来たんです。」
「はぁ？」
　次は、呆れと怒りが半分半分の返事が返っきた。
　ワタシはすぐに誤解をとこうと、その先を話す。
「ワタシ、悪口言ったことないんですよ。ですけれどずっと思っていて、大佐は本当に汗が臭いんです。命を懸けているのに低賃金ですし、首領は最善策を導くことの出来ない低脳……」
　その他にも、同僚、後輩、国に対する様々な悪口を重ねて言った。
「待て待て、何が言いたいんだよ」
「ふふっ、まだお分かりになられないですか？ワタシ、初めは誇りを持って(・・・・・・)なんて言いましたが、誇りも糞もないんです。ただ戦場が好きで戦っているだけですよ、言うほど国のことは好きじゃあありません。もちろん！貴方のこともですがね！」
「待て、ますます何が言いたい？」
　ここまで言っても理解できないのかと、一つため息をついてからワタシは結論を述べる。
「貴方と仲良くなれる気がするということです。ね？ワタシ貴方が思うほどの人じゃないですよ？さあ、仲良くゲームをクリアしましょう。」