39話 ページ18
いつものように鬱先輩に捕まり屋上でお昼ご飯を食べた後、断りを入れて1人で図書館に行った。
私が想像していたのは、学校の校舎内に入っているようなものだったが、地図を見ながら図書館まで向かうと、そこはちゃんとした建物だった。
重そうな扉を開ければ直ぐに広がる本棚が目に入る。2階まで吹き抜けになっており、まるで本でできた家かと錯覚するくらいびっしり壁に置いてあった。
中央付近の机まで行くと、カウンターが見える。ここで本の貸し借りをするようだ。
急いでご飯を食べてきたため、お昼時ということもあり人は居なかった。ラッキーと思いつつ、面白そうな本がないか探索してみる。
しばらくフラフラと探索していると、入口と真反対の方にバルコニーがあった。ガラスでできた扉をゆっくり開けてみれば、建物自体少し高めの丘にあったのか、綺麗な景色が見渡せた。
『わぁ…』
こんなに素敵なところがあったんだ…。そよそよと風に吹かれつつも感嘆のため息をつく。
?「おや、珍しいですね。こんな時間に。」
ふと声をかけられ、驚き後ろをむく。そこには色素の薄い淡い瞳をもつ生徒がいた。確か名前は…
『エーミール先輩…！？』
生徒会メンバー、攻略対象の1人だ。
em「あぁ、Aさんでしたか！」
エーミール先輩は私を見てぱっと明るく笑った。そして、私は冷静とは言えない頭で考えをめぐらせた。
ここで下手なことを言ってグンと好感度をあげるのだけはダメだ…！！
em「こんな時間にどうしたんですか？」
『あ、えぇっと、ロボロ先輩に図書館があるとお聞きしたので…。』
em「そらありますよ、ここをどこだと思ってるんです？」
とぼけながら答えるとエーミール先輩はすこしムッとしてしまった。好感度は下がる訳では無いがその顔はなんだか嫌だな、と思う。
『それにしてもこんな素敵な場所があるとは思いませんでした。』
話題を変えるとエーミール先輩もバルコニーまで出てきた。
em「フフ…良いでしょう？お昼時はあまり人が来ないものですから静かで心地がいいものです。」
でも、たまにはこうしておしゃべりするのも悪くないですね。とエーミール先輩は再び笑った。
すると、先程まで優しく吹いていた風が急に強くなり髪がなびく。
em「少し風が強くなりましたね。」
エーミール先輩が私の髪を優しく整えてくれた。急なその行動に驚きが隠せず、しどろもどろしていると、自分でも気付いたのか顔を真っ赤にし始めた。
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むあん(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます〜！ (7月31日 20時) (
レス) id: 6c930b7d9a (このIDを非表示/違反報告)
暁 - なるほどッ...このヒロイン...好きッ！！！！！ (7月31日 12時) (レス) @page15 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ｢まだ平和な方｣って…もしかして平和(物理)…！？続きが気になって仕方がないです…！更新楽しみに待ってます！ (6月26日 13時) (レス) @page42 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
むあん(プロフ) - くれぴとさん» コメントありがとうございます！差別しない夢主様…素敵です😌 (5月14日 11時) (レス) id: 6c930b7d9a (このIDを非表示/違反報告)
くれぴと - 夢主ちゃん！差別をしないその志！日本人の鑑だぁ！！見習います() (2023年5月7日 10時) (レス) id: e2b452ca9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むあん | 作成日時：2023年4月8日 9時
