43話《Past edition episode 3》 ページ43
_No side_
その後、様々な手続きを済ませ、正式な佐野家の家族となったAは、真一郎に連れられ、家へとやってきた。
A「ねぇ真一郎、オレ外部者なのに受け入れられるの?」
真一郎「当たり前だろ?それに、家族だ」ニコッ
明るい笑顔を向けた真一郎は、家の扉を開けて「ただいま」と言った。
すると奥から少年が走ってやってくる。
それが、真一郎の弟、万次郎との出会いだった。
万次郎「だれ?」
真一郎「此奴がお前のお兄ちゃんだ。」
A「オレA」
真一郎「此奴がお前の弟だ。」
万次郎「俺万次郎」
で会った瞬間意気投合したかのように、Aと万次郎は握手した。
万次郎「俺の兄ちゃんなのか…。なんて呼ぼっかな〜A?兄ちゃん?うーーーーん」
万次郎が本気で悩んでいると、急に「あ!」と声を出し
万次郎「にぃって呼ぶわ!」
と言った。Aは万次郎の頭を撫でる。
A「万次郎…?でいいのかな」
Aは真一郎を見た。真一郎は笑顔でグッドサインを出し「良い兄弟になるぜ!」と肩を組んでそう言った。
___
時は流れ、エマも佐野家に馴染んで、万次郎達が十三になり、Aが十七になった頃、事件は起きた。
真一郎が営んできた店が、泥棒に襲われ、真一郎はそれを目撃したことで頭部を鈍器で殴られ死亡した。
Aは悲しんではいなかった。が、決して笑ってはいなかった。何方かと言うと、感情が読み取れない、変化しないようになっていたのだ。
Aは家族で来た葬儀場で何度も『自分があの場にいれば』と考えていた。そして、虚ろな目をした万次郎を慰める事もしていた。
Aは人生に希望を持っていなかったからこそ、立ち直りが早かった。『悔やんだところで、帰ってくるわけじゃない』と知っているから。
暫くそんな生活が続いていると、万次郎はAに依存し始めた。『好き』と言っているだけで、特に害はないが、兎に角依存したのだ。
それも結局、作られたものだと知らず。
__
また月日は流れ、Aが作られたものだと知った万次郎は、本物の『A』に更に依存したのだ。
軽蔑せず、一緒に居てくれた万次郎は、Aの中の新たな希望になった。
が、二人の中に存在する【黒い衝動】は変わらず心に有り続けた。
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シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 反応が嬉しすぎます!ありがとうございます!リクエストあればまたお願いします! (2021年10月29日 7時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - リクエスト応えて頂きありがとうございます🥺❤️めっちゃ嬉しいです!ニヤニヤしながら読みました!イザナにプレゼント🎁買っていたけど何買ったのかな😊 (2021年10月29日 6時) (レス) @page22 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 了解致しました!リクエスト本当にありがとうございます!必ずそうさせて頂きますので、少々お待ちください。 (2021年10月27日 7時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!!ほんとですか??いいんですか??🤤リクエストはバジさんとか春千夜とか灰谷兄弟とかもし絡みがあったらみたいなぁーって思ってます! (2021年10月27日 1時) (レス) id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます、そのように言って頂けると本当に嬉しい限りです。何か話のリクエストございましたらお願い致します。必ずお受け致します。 (2021年10月25日 21時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名F | 作成日時:2021年10月17日 10時