▽ ページ44
.
佐野さんの顔を覗き込むと、
眉間にシワを寄せて、髪の毛をポリポリ掻いて、
はぁ、とため息をついて、時々私をチラチラと見てくる。
な、なんだ。
このなんとも言えないような表情は。
臣 「ふーん、そっか。それじゃあしょーがないわ…ってならないんだよね、今回ばかりは」
A 「え?」
臣 「ごめんね、玲於。Aのこと借りてくわ」
今日だけは俺に渡してよ?なんて、お得意の笑顔で玲於に微笑む臣。
玲於 「…どーぞご勝手に」
A 「えっ、佐野さん…!」
一瞬ものすごく怖い顔をした佐野さんは、ダンダンッ!とすごい足音を立てながら2階へと上がっていってしまった。
A 「怒ってた…?」
臣 「なに?俺より玲於の方行きたい?」
A 「え……」
ドアを勢いよく閉め、自分の部屋へと入ってしまった佐野さんの背中を見つめていたら。
臣が、泣きそうな顔して私を見つめてくるから。
A 「…ううん、夕食行けるの嬉しい」
臣 「久しぶりだもんなー、何食べたい?」
A 「臣が決めて?」
臣 「わかった、じゃあ飛びっきりお洒落なとこ連れてく」
A 「えっ!?無理無理無理ッ、私死んじゃう」
臣 「そんくらいで死なねぇわ!」
アハハッ!って、お腹を抱えながら笑う臣。
くっきりと見えるエクボがとても可愛い。
どうしよう。嬉しい。
こんなふうに臣と話せるのも、笑えるのも、久しぶりだし。
神様、たまには臣と過ごしてもいいですか…?
臣 「じゃ、A借りてくね」
佐野さんも亜嵐もいなくなった部屋の中、
いるのは臣と私と、涼太の3人。
涼太 「あっ、はい。みんなには後から伝えておきます」
A 「そういえば、みんなどこにいるの?」
涼太 「あーっ……どっかで買い物してくるって言ってました!」
A 「そっか…」
ちょっとだけ返事に間があった気がしたけど、
涼太がパッと明るく笑ったから、聞き返さないでおいた。
みんな買い物してるんだ。
ならいいよね、たまには臣と外に出かけても!
A 「じゃあ、行ってきます!」
涼太 「行ってらっしゃーい」
臣 「遅くならないうちに送るから」
涼太 「わかりましたっ」
臣の車に乗り込みながら、涼太に笑顔でそう告げ、
運転席に座った臣がアクセルを踏んだ。
.
1029人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜の花(プロフ) - このお話に出会ってから5年も経っていました!読みたくなることが何度もあり、その度に最初から読んでます!とても面白くて大好きです♪キュンとしたり笑える所が多くて楽しませて貰ってます(笑)また更新されることを楽しみに待ってます´ω`*もの凄く続きが気になります!! (2021年11月7日 1時) (レス) id: 39b7d855c1 (このIDを非表示/違反報告)
りんな(プロフ) - このお話とても面白くて大好きです!!更新待ってます!! (2020年4月18日 1時) (レス) id: 10effccb1c (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - 続きを待ってるので更新してほしいです (2020年3月17日 18時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - 更新楽しみにしてます (2020年3月17日 17時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - れお君のツンデレっぷりに1人ドキドキしてますっ!!片寄もかわいいですねぇー♪主人公、誰とおどろんだろう...?私の1番のお気に入りです! 更新、待ってます!! (2019年7月29日 23時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しょこら | 作成日時:2015年11月24日 0時