貴方はどの執事と恋をする？~GENE~

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｢はじめまして！麻未です！聖マリア女学園の生徒会長！｣





にこりと愛想よく笑いながら、元気よく自己紹介をする女の人、麻未さん。

白に近い金色の髪に、雪のように透き通った肌がよく似合う、しいていえば¨可愛い¨の四文字で出来上がった女の子。





｢副会長の静香です｣





そして、落ち着いた雰囲気でそう言った彼女は。

大人な雰囲気で、ブラウンカラーの髪色が陽の光で透けて見える、上品なお嬢さまという感じ。

陽だまりの中、テラスで紅茶を飲む姿が目に浮かぶ。





麻｢いやぁー、可愛いね！新入りちゃん！｣

貴｢え｣





いきなり何かと思えば、甲高い声で私の体をペタペタ触りまくる麻未さん。

あれ...。

さっきまでのあの可愛い雰囲気は一体...。





麻｢可愛い！ほんと、お人形さんにしか見えない！｣





お世辞にしか聞こえない高い声で、笑顔を振りまくその姿は、まるで自分の息子を可愛がるおばあちゃんのよう。

その年でお人形¨さん¨っていうのにもドン引き...。





貴｢あ、ありがとうございます...｣

静｢こら、麻未ー？Aちゃんが引いてるでしょ？第一印象はもうちょっと柔らかくって言ったじゃん｣





一応お礼を言っておこうと思って、頭をぺこりと下げると。

麻未さんをからかうかのように、横から小さな笑い声が聞こえてきた。

あぁ、この2人、バランス取れてるんだなぁって。

初めて会った私でもわかる。





貴｢ていうか、私の名前...｣

静｢もちろん知ってるよ？ちゃんと話は聞いてるから｣





誰から？なんて聞かせない勢いで、麻未さんがこっちこっち！と、目の前にそそり立つ城の中へと私の手を引いて案内し始めた。





麻｢これが、館内の地図ね？｣





靴箱を通ってすぐ目の前に立つ館内案内の地図には、本館、西館、東館、北館、南館など、色々と事細かに記してある。





貴｢あの、この別館っていうのは...｣

静｢あぁ、これは執事たちが教育を受けるところ｣

貴｢執事？｣

静｢うん。ここでは執事の養育も行ってるからね｣





もしかして、亜嵐がキャリア長いって言ってたのって、このこと...？





麻｢次こっち！｣

貴｢わぁ！｣





考える隙も与えないくらい暴れまくる麻未さんに連れられ、次たどり着いたのは2階。





麻｢ここがAちゃんの教室！｣

静｢クイーンよ｣

貴｢クイーン？｣





クイーン＝女王。

そんな教室の壁には、あの童話に似た赤いバラの女王の絵が。





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