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1年半後。
高校に入って二回目の夏。
ミーンミンミンミンミン────…
貴「あーつーいー」
毎年恒例の夏期講習へと駆り出されていた私。
校舎に入って右手奥の教室で自習してたはいいけど…。
貴「クーラーないとかありえなくないっ!!?」
「はいはい」
クーラーがついてない教室なんて今の時代ありえないでしょ!!!
そんな不満を友達にぶちまけながら、目の前に広がる果てしない課題を解き進める夏休み。
せめて職員室に近いところだったらよかったな…。
あそこなら冷たい風がわんさか入ってくるのに。
「ずる賢い計画論立ててる暇あるなら課題やっちゃいなー」
貴「…わかってるもん」
臣が入るはずだった高校に、一人で殴り込みした私。
結局、臣は私の知らないどこかへ引っ越してしまった。
先生すら、臣の引越し先の住所を知らなかったらしい。
そうなると、探しようもないわけで…。
貴「あぁー!終わったぁー!」
「おつかれ、もーちょいまってて」
貴「おっけーい」
なんで何も言ってくれなかったんだよ。
それだけがどうもこの1年半引っかかってて。
後悔と悲しみにまみれた1年半。
なのにどんな手を尽くしてでも臣を探し出す勇気はなくて。
なんでだろう。
怖いからかな。
そこまでして会いに行く理由を作れない。
…臣が、好きだから?
臣と離れたあの日、やっと自分の気持ちに気づいた。
けど、向こうがどう思ってるかはわかんない。
…だから、怖いのかな。
「A?」
貴「…ぁ、ん?」
「終わったよ?これからどーする?」
貴「そっか!じゃあ…どっか遊びに行こ!」
「いいね!」
臣がいなくたって、それなりに充実してる。
そう、それなりに。
けどね、1回だけでいいから、臣にガツンと言ってやりたいの。
なんで勝手に消えたんだ。
お前がいなくたって、私は平気だ。って。
そう、言いたい。
けど言えない。
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いくら(プロフ) - ゆずかさん» ですよね!メイちゃんの執事大好きだから、作者さんも好きなのかなって思うと嬉しいです! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d8925376b9 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 聖マリア女学院ってメイちゃんの執事と一緒だ〜!作者さんも好きなんですか!? (2018年2月17日 22時) (レス) id: d8925376b9 (このIDを非表示/違反報告)
きんは - すごくいい!これからもがんばってください! (2016年1月30日 15時) (レス) id: 90acb15664 (このIDを非表示/違反報告)
りな - レオくんかわい^^ 臣くん・・・ これからも頑張ってください (2016年1月6日 14時) (レス) id: e859f2d3f1 (このIDを非表示/違反報告)
涼太らぶ(プロフ) - ですよね(笑)
読みます(笑) (2015年10月31日 23時) (携帯から) (レス) id: 221f02feea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょこら | 作成日時:2015年10月3日 2時