貴方はどの執事と恋をする？~GENE~

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貴｢これ、全部食べていいんですか...？｣

亜｢もちろん｣

涼｢体重気にして食べられない方がほとんどですけどねぇー｣





お、少年。

痛いところつくな。





貴｢...全部食べます｣

メ｢よっ！太っ腹！｣

隼｢メンディーさん、それ意味違う｣





小森さんの的確なツッコミに、少々ひるむメンディーさん。

あれ...立場が逆転してる...。





亜｢では、早速召し上がってください｣





愛想よくニコリと笑って、食事の席へと案内される。





龍｢...お飲み物はいかがいたしましょう｣

貴｢あっ...えーと、じゃあグレープジュースで｣

龍｢かしこまりました｣





今度こそ耳元で囁かれないよう距離をとりながら、とりあえずこの家にありそうな物を注文する。

...そういえばあの執事、なんて名前だっけ。

確か自己紹介されてなかった気が。





玲｢前失礼しまーす｣

貴｢あ、はい、あっ｣

玲｢後ろ失礼しまーす｣

貴｢おっ、あ、んっ？｣





前後ろ失礼失礼、と佐野さんが膝掛けからよだれかけらしいものを装着させる。

...え、私おこちゃま扱い？





貴｢あのぉ｣

玲｢はい？｣

貴｢これ、必要ありますか？｣

玲｢こぼしたら洋服汚れるんで｣

貴｢あっ、はい｣





その一言で納得せざるを得ない私。





玲｢ところで｣

貴｢ん？｣

玲｢大丈夫？龍友くんとは｣





佐野さんの大丈夫？は、きっとあのこと。

てことは、あのえろ執事は、龍友...って名前？





貴｢い、今のところは｣

玲｢ならよかった｣

貴｢あの、さ｣

玲｢なに｣

貴｢あの執事の名前、龍友っていうの？｣

玲｢うん。数原龍友｣





ほぉ。数原さん、っていうのか。





玲｢それが何？｣

貴｢ううん、何でもない｣

玲｢ん｣

貴｢...ありがとう｣

玲｢なにが？｣





きょとんとした顔で、ん？と首を傾ける佐野さん。

可愛い。

女の子より確実に可愛い。





貴｢あー...ううん、やっぱいいや｣

玲｢そ。では、ごゆっくり｣





慣れた口調が、突然敬語に戻る。

あれ、執事って普通敬語だよね。

いつの間にタメだったんだろう。





龍｢お飲み物ご用意致しました｣





そう思いながらも、真上から降ってくる低音ボイスによって、一気に意識がそっちへと向けられる。






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