『ラストシーンでお言葉拝借』黄橙 ページ9
「すきだ｣
とある偉人の言葉が俺の脳みその中をぐるぐる回っている。(じ、…ジョン、なんとか)いつか本で読んだ、過去の人間の名言と謡われた言葉だ。
そんな俺の目の前にいる好きなひとは、目をパチパチと瞬かせて動揺を隠しきれない様子で居た。
おどおどしていて、わずか数センチ背の低いはずの彼が、自分よりもなんだか、とてもか弱い生き物に見える。
「あの、えーっと、どうしたん？｣
彼の薄紅色をした唇が、空気を求める魚の様にパクパク開閉を繰り返していた。
どうやら返答の言葉を選びすぎて何も出てこないようだ。
普段、明るく優しい、けども意外と繊細で脆い彼の脳内は今大渋滞中なんだろう。
「俺も淳太くんのこと、
「すきやで｣と、何秒か迷った末に唇から零れたのは漫画や小説でもありきたりな言葉だった。
すき、という言葉は分かりやすいものでもあるし、酷く曖昧な単語でもあると思う。
きっと俺の伝えたい「すき｣ と今彼が言った「すき」は発音さえ同じであるが、意味合いは90度くらい違うものだ。(日本語は本当に難しい)
「違う」
「え、？」
うっすら開いている照史の唇を人差し指でぐいっと抑える。びくん、と彼の肩が大げさな位に揺れて、深い夜空色の瞳が水気を増した。
「キスしたいとか、抱きたいとか、そーゆう意味で“すき”なんやけど｣
ちょっとえげつなかったか。でもこれくらい言わないと伝わらない気がしたから。
これでもかって位に目を見開いた照史の瞳が今にも零れ落ちてきそうでちょっと慌てた。
少したってから彼は顔を真っ赤に染めて、俯いて、ボソボソと何か話し出した。
「やって、俺は男で、」
「男である以前に照史は照史やろ｣
「メンバーで、」
「そこに問題はない」
「ずっと親友やってきて｣
「…形が変わるだけや｣
「それにっ、それに、」
次から次へと建て前ばかり。その愛らしい唇が憎たらしい。
「うるさい」
「へっ、？」
なぁ、“嫌”が出ないなら、それはイエスでいいんやろ？
「頼むから、黙って、ただ愛させてくれへん？｣
ああ、他人の言葉で告白なんて最低やな。
ラストシーンでお言葉拝借
(頷いてくれたから、それでええ)
こんな感じで、私は兄組を書くのがものすっっごく苦手です。とくに紫さん。恐らく、私の作品には、お友達等でしか登場しません。
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憂(プロフ) - わきやまさん» お返事遅くなり申し訳ありません。JUMPからの遠征ありがとうございます、、！楽しんでいただけて幸いです。 (2018年2月27日 18時) (
レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
わきやま - Dears、号泣してしました。普段はJUMPばかり読んでいるのですが、思わずコメントしてしまいました。頑張ってください！ (2018年2月24日 13時) (レス) id: dd9838bc03 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - 紫あいすさん» ありがとうございます！緑赤、書いたことはないのですが頑張ります。笑 (2018年2月19日 1時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
紫あいす(プロフ) - 殺人未遂事件、思わず笑ってしまいました笑。ゆうさんの作品はどれも楽しみに読ませていただいています。もしよかったら緑赤のお話を書いて頂きたいです！ (2018年2月18日 17時) (レス) id: 7333fadd2b (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - みおんさん» 良かったです〜！ありがとうございます！ (2018年2月14日 23時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年2月5日 2時
