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神山がこの警察署に飛び込んで来たのは五日前。
疲弊仕切った様子で、取り乱し助けを求めていた。
話によると、ある部屋に閉じ込められていたと言う。
「助けて…！おかしくなる…！」
助けて
それだけをひたすら叫んでいた。
神山の証言を元に駆け付けた部屋。
玄関の鍵が開けっ放しになった部屋に立ち入る。
蛍光灯の点いたリビング。
その隣の部屋のドアが開いている。
そこには男が一人、放心状態で座り込んでいた。
「お前が『重岡』やな？」
問えば振り向き、
「…とも…どこ行ったん…？」
男は温度のない瞳で呆然と俺達を見ていた。
錯乱した神山は病院へと救急搬送された。
健康状態に問題はない。
ただ、雨戸を固定され光を閉ざされた、ベッド以外何もない部屋に長期間監 禁されていたことで、
精神、自律神経に異常が見られるとのこと。
安否を喜ぶ、駆け付けた両親や友人の反応に戸惑う様子も伺え、暫くの入院を余儀なくされた。
限られた時間で神山から事情を聞くため、俺はこの病院に足を運んだ。
「刑事さんは、助けてくれるん…？」
もう助かったんやで。
まだ錯乱しているんやろうか。
安心させるためにただ頷いた。
「いつからか、わからへん…時計もカレンダーもないから…」
あの部屋から一歩も出なかったん？
食事、風呂、排泄は？
「最低限の飲み物だけ常に用意されていて、食事は大毅が帰ってからふたりで食べる。その時にあの部屋からリビングに出て、その流れで風呂に入るんや。
大毅が居らん時は鎖に繋がれていて、それがトイレまでの距離やから…」
なるほど…。
これまで落ち着いた様子で話をしていた。
様子を見つつ聴取と予定しといた問題を頭に巡らせる。
あの日、神山が警察署に来た時、首に付いていたキスマーク。
そこから、性的暴行の可能性があると危惧していた。
やんわりと、その話題を口にする。
神山は驚いたように目を見開いたあと、ゆっくりと俯いた。
「暴行…なんて、…してへんよ、そんなこと。必ず一緒に食事をして、一緒に、眠って…、たまに俺を…、抱いて…。全部、優しい。俺を、直接傷つけるようなことは…絶対しない…」
俯いたまま、顔は上がることはなかった。
口を閉ざした神山に、これ以上の負担をかけるわけにはいかず、その日はこれで病院を後にした。
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憂(プロフ) - わきやまさん» お返事遅くなり申し訳ありません。JUMPからの遠征ありがとうございます、、！楽しんでいただけて幸いです。 (2018年2月27日 18時) (
レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
わきやま - Dears、号泣してしました。普段はJUMPばかり読んでいるのですが、思わずコメントしてしまいました。頑張ってください！ (2018年2月24日 13時) (レス) id: dd9838bc03 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - 紫あいすさん» ありがとうございます！緑赤、書いたことはないのですが頑張ります。笑 (2018年2月19日 1時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
紫あいす(プロフ) - 殺人未遂事件、思わず笑ってしまいました笑。ゆうさんの作品はどれも楽しみに読ませていただいています。もしよかったら緑赤のお話を書いて頂きたいです！ (2018年2月18日 17時) (レス) id: 7333fadd2b (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - みおんさん» 良かったです〜！ありがとうございます！ (2018年2月14日 23時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年2月5日 2時
