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Minato side
焦っていた。
このまま本当に、紬を取られてしまうんじゃないかって。
今も遠くの方で、手話を混じえて楽しそうに話している紬と想の姿を見ると胸がざわついた。
でも心のどこかでは分かっていた。
例え想が紬のことを思っていなくても、
紬の気持ちは、動かすことなんてできないって。
決心を固めるべきときが、刻一刻と迫っていた。
｢はいこれ、間違って買っちゃったから｣
自販機で買ったコンポタを、応援席に座っていた紬に差し出す。
｢ふふっ間違えたの？｣
｢Aちゃんは？｣
｢真子と飲み物買いに行ったよ｣
そう僕と話している間も、視線は想へと向いていた。
佐倉くんやっぱうまいねって、聞こえてるみたいだねって。
隣にいるはずの僕の存在が見えていないように感じた。
｢デフサッカーっていうね、聴覚障害の人がやるサッカーって、
そういうのもの考えたんだって｣
｢………｣
｢でも、認めるみたいで苦しかったんだって。耳聞こえないこと。｣
｢……｣
｢…そう簡単に受け入れられないよね。Aと再会した3年前にはね、もうほとんど聞こえなくなってたんだって。｣
｢…うん｣
｢イヤホンつけても、音流れてこないのかとか。字幕がない映画見れないのかとか…人と、声で話せないんだとか｣
｢………｣
｢なんてね…っ私がなんか勝手に感傷的になってしまったりして…｣
ストンと遠くのどこかで音が鳴った気がした。
何かが落ちる音。
これで、もう終わり。
｢紬。お願いがあって｣
｢うん？｣
紬の目線は、まだこちらに向かない。
想が、ヘッドシュートを決めたところだった。
｢別れて欲しい、…別れて、欲しい｣
｢………え、？｣
｢別れよう｣
｢なんで…っ｣
今日初めて、目が合った気がした。
｢好きな人がいるから｣
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まぴ(プロフ) - 作品の続きが気になります 話の続きが出るのを楽しみにしています！ (9月18日 14時) (
レス) id: 9ddcbdd8d5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 作品の続きが気になります。 (2023年4月8日 18時) (レス) @page26 id: 27e2541af5 (このIDを非表示/違反報告)
うるる(プロフ) - 続きが気になります（ ; ; ）応援しています！ぜひ続きをお願いしたいです (2023年2月9日 0時) (レス) @page26 id: 6ea538b075 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - すごく切なすぎて夢主がちゃんと幸せになれるかモヤモヤしています、、！！これからも頑張ってください！ (2022年11月18日 20時) (レス) id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
みいひ(プロフ) - こむぎさんの小説が一番好きです！これからも楽しみに待ってます☺️ (2022年11月11日 13時) (レス) @page11 id: 5bdf526915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2022年11月5日 22時
