覚めない夢と蕩けた言葉【silent】

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Your side


数日後、想くんのお家にお呼ばれされて
久々にふたりでご飯でも作ろうとなった。

近所のスーパーで食材とお酒を買って、重い方の袋は想くんがさりげなく持ってくれて、車道と反対側に歩かせてくれる。
そんな些細な優しさ一つ一つが嬉しかった。


｢わあ、想くんのお家久々だな｣


想くんが一人暮らしをはじめて最初の方は頻繁に行っていたが、最近ではめっきり減ってしまっていた。

袋から食材を取りだしていると、背後からギュッと重みがかかる。

｢想くん、？｣

私を後ろから抱きしめたままお腹の前で腕を組んで、
目をつぶっている想くん。
髪をふわっと撫でると、安心したように目を細めた。


｢…わんちゃんみたい｣




甘い時間を過ごせば過ごすほど、
紬ちゃんが脳裏を過ぎってしまうのはどうしてなんだろうか。





" イヤホン、青羽に返せたよ "

ご飯を食べ終わって、ソファーでふたりでまったりとくつろいでいるときに、そう伝えられた。

" そっかよかったね "
" 青羽、元気そうだった "
" …うん "

ふたりきりで会って、どんな話をしたんだろうか。
自分から想くんに会ってきて、と背中を押したにも関わらず、
気になって仕方がなかった。

私の右手に触れる想くんの左手を、
ぎゅっと上から包み込むように握った。


" ねえ、なんか思い詰めてること、ある？ "
" …なんで？ "
" この前から、表情が暗い "

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