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Minato side
想の連絡先を聞きに、想の実家に行ったときのことだった。
「お兄ちゃんのこと…知ってるの、」
「……あぁ、想のね、知ってるよ」
「あっそうなんだ。湊斗くん、お兄ちゃんと仲良かったもんね」
" 耳が聞こえなくなったこと "
思いがけず知ってしまった、想の秘密。
紬にはすぐに伝えることは出来なかった。
" 俺、青羽のこといらない。あげるよ "
卒業式間近のときに投げ捨てるように想からかけらた言葉。
8年間、ずっと心に引っかかっていた。
点と点が線で繋がった気がした。
「じゃあAちゃんとのことも知ってるのか」
「…Aちゃん、」
「うちにもたまーに来るんだけどね」
「…想の、家に?」
「3年くらい前かな、偶然街で会ったみたいで」
「3年前…」
「お兄ちゃん、てっきりAちゃんとしか会ってないと思ってた」
想とAちゃんが、今どういう関係なのか。
そこまで聞くことは出来なかった。
家に行き来するくらいに親しい関係なのか、それ以上なのか。
紬がこの間の同窓会で何も言っていなかったということは、
Aちゃんからは紬になにも伝えてないのだろう。
ただ今は、紬との時間がなによりも守りたいものだった。
これからのことなんて、何も考える余裕なんてなかった。
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雨宮みさと(プロフ) - めっちゃ大好きです。楽しみに待ってます (2022年11月2日 18時) (レス) @page41 id: d8108038f9 (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 最高です。キュンキュンしてます。想くんと別れるのーって言う展開に追いつかないけど、別れて欲しくないって思うほどですが。もう、続きが気になって仕方ないです (2022年10月30日 11時) (レス) id: 6a7c2c00d5 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - めちゃくちゃ胸が痛い( ;ᯅ; )毎回感情移入してしまううううう (2022年10月30日 7時) (レス) @page41 id: b34c7041d1 (このIDを非表示/違反報告)
AkaNe(プロフ) - 毎話毎話素敵なお話で作者様の言葉選びが本当にすきです!!ゆっくりでいいので更新楽しみに待っています!!♡ (2022年10月29日 11時) (レス) @page34 id: 5323627667 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 感情移入してしまうくらいステキなお話です…‼︎ただ一つ気になったのは青葉じゃなくて青羽かと思います(><)これから作者様のスピードで無理なさらず更新楽しみにしています♡ (2022年10月20日 0時) (レス) id: e356a3c07b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむぎ | 作成日時:2022年10月8日 18時