覚めない夢と蕩けた言葉【silent】

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Sou side


湊斗から青羽の連絡先を聞いて、
近くのカフェでイヤホンを返すことになった。

俺の姿を見つけると、ニコッと笑った青羽。

一緒に音楽を聴いて、電話して、俺の声が好きだと言ってくれた青葉は8年前と何も変わっていなくて。それが見ていて苦しかった。純粋無垢な視線が、あまりに痛かった。


イヤホンを置いて直ぐに立ち去ろうとすると、
青葉に腕を掴まれて止められる。


" まって "


その腕を振り切って、彼女の前から立ち去る勇気は
俺にはなかった。



携帯に必死に文字を打ち込む青羽に、
音声を文字化するアプリを差し出した。

これはAちゃんが手話を覚える前に頻繁に使っていたものだった。

えもう始まってるの！って、
焦っている青羽が、どこかAちゃんの姿と重なって、笑えてきた。


"元気だった？ "

ディスプレイに表示された文字に頷くと、
青羽が嬉しそうに笑う。


［青羽も元気そうでよかった］


携帯に打って、その画面を青葉に向ける。これは本心だった。
青葉の笑顔を見て、安心した。

そういえば、と青羽が口を開く。



" この前ね、同窓会にいったの "
［うん］
" また4人で会いたいなって、思った "
［そうだね］


青羽が指した4人
Aちゃんと青羽と、湊斗と俺

いつか、笑顔でまた4人で会えるのだろうか。
少し複雑な気持ちのまま、コーヒーを一口飲み込んだ。

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