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言ってることと、やってることが違う？
長年一緒にやってきた俺からすると、紫耀は軸がブレへん芯が強い奴で、発言と行動が伴わへんなんて思ったことは一度たりともない。
実際にAから今回の経緯を聞いても、そんなふうには思わへんかった。
やのになんで？
なんでAはそんなふうに思うんやろう？
「おいっAっ！逃げんな！まだ話終わってないだろ！」
「もう話すことなんてない！話したくない！」
「お前はなくても俺はあるんだよ！まず俺のこと嫌いって言ったの取り消せよっ！」
「話したくないんだってば！ほっといて！」
「ほっとけるかよ！おいっ！戻ってここ座れよ！」
でもその理由は聞けへんまま、もう何度も俺の家に来ているAは慣れた足取りでリビングの奥にある寝室に向かうと、荒っぽくドアを閉めて後を追う紫耀の行く手を遮断した。
「あーあ、さらに怒ってもた。」
「…るせっ。Aがいないとか嘘つきやがって。」
「いや…それは…すまん。とりあえず落ち着くまでと思って…
てかなんでわかったん？」
「わかるに決まってんだろ。
いつもの廉だったら絶対に『どうしたん？何があったん？』って聞いてくるのに、何も聞いてこねーんだもん。そんなのここにいますって言ってるようなもんじゃん。」
俺の口調を真似ながらそう話す紫耀は、いつもと同じように見えてどこか疲れていて、
俺はそんな紫耀を前に、Aの気持ちに寄り添いたいと思いつつ、はよ丸く収まって元通りの2人になって欲しいと願わずにはおれんかった。
「あー喉乾いた。水ちょうだい。」
そう言ってキッチンへ向かったと思ったら、冷蔵庫を開けたままピタリと動きを止めた紫耀。
「廉…」
「ん？何？」
「これ…」
近寄ってみると紫耀の視線の先にあったのは、俺が不器用ながらも必死で盛り付けた料理とケーキの箱で、
「あー、デビュー決まったからお祝いしようと思ってさ。まぁゆーても俺料理できひんから全部買ったんやけどな。」
突っ込まれるのを覚悟で俺がそう話すと、紫耀は真剣な表情のまま、
「わりぃな…こんなことになって…」
と申し訳なさそうに顔を歪めた。
俺はなんとか間を埋めようと、
「いや正直俺昼食いすぎて、あんまお腹空いてへんのよ。やからちょうど良かった！」
そう言って空腹のお腹をあたかも満腹のように軽くポンポンと叩いてみせた。
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作者名：P | 作成日時：2019年10月8日 22時
