隣のきみ*6 ページ7
「……行っちゃった」
颯爽と去っていった、名前も知らない女の子の背中を見送りながら呟くと。
「まふ、あの子の声、どっかで聴いたことないっけ」
そらるさんが唸りながらそう言ってきた。
「そういえば、聴いたことがあるようなないような……?」
なんて2人で頭を悩ませてみたけど、キリがない。
僕たちのこと知ってたなら、いつか歌い手さんとして出てきてくれるかも、なんて淡い期待だけ持つことにして、帰途についた。
『あぁぁ、しあわせ……AtRにばったり会って、動画も上がって……やばい……』
家で一人、現在時刻は17:53。
そろそろ動画が上がるからって、今日の出来事を思い出してにやけてしまう系女子はここにいる。
『……さて、墓に入る準備でもしようか……』
軽率に墓を乱用するのもそろそろやめたいけど、やっぱり無理だなあと引きずって引きずってはや2年。SNSにおける墓は大事。テストに出る。
カチッ。
という18時の針の音。同時になるバイブ音。
画面には、
【四季折々に揺蕩いて After the Rain】
の表示。
『四季折々に……揺蕩いて…………? もしかして』
即座に再生し、うぽつコメを打って曲に集中する。
『これ、……魔法少女あふた〜ざれいんの』
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作者名:孝音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月18日 0時