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隣の貴方*1 ページ2

『くぁああ……』


陽の光が瞼に刺さり、もぞりと身動ぎしてから重い体を起こす。
開け放たれた窓から風がそよぎ、私の頬を撫でた。


『……もう朝…………』


ごしごしと目を擦ると、洗面所にふらふらと覚束無い足取りで向かう。
顔を洗うと、コンタクトを付けてスケジュール帳を拾い上げる。


『……今日はオリジナルのレコーディングか』


午後に入っている【〇〇スタジオ 13:00からレコーディング】の文字。


『やる事ないし、どうせなら向こうで時間潰そ』


パパッと手早く着替える。
レコーディングと言えど都心まで出るのだから……あんまり変な格好はやめとこうかな。


雀の涙ほど残っていた女子力がここで発揮された。とは言っても涼しげなエメラルドグリーンのワンピースにちょっとした上着着ただけですが。


『さて、行こうか』


ガチャン。


施錠した音が、二重に響く。


横の人かな、と目をやると。


「……あっ」


『……えっ』


絶世の美青年と言い換えたって遜色の無い、顔立ちの整ったイケメンがこちらを見ていた。

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作者名:孝音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年8月18日 0時

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