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6話 ページ6

今日は仕事がオフなので本を買いに行きます。
大好きな作家さんの新刊が出てるんですよね。

清々しい天気で穏やかな気分なので、本を買えたら喫茶店でも寄ってみようかなぁ。

これからの予定を頭の中で立てながら歩く。
すると前方に見たことある髪の毛が!!

あちらもこっちに気づいたようで手を振ってくれた。
慌てて小さく振り返すのですが、後ろの人たちの目線がこ、怖い...!!

「この前ぶりだねー!今日は休みなのー?」

話しかけて貰ったので無視して歩き去ることは出来ず、なんかすごいオーラを発している集団に近ずく。

「はい。休日を頂いております。」

私が働く時間は短く、
赤髪くん以外の人たちは初対面で話が見えていないようなので自己紹介をします。

「初めまして。少しの間、コンシェルジュを任されております香山梓と申します。」

「そうなんですか、えっと…香山ということは、」

「はい、貴方様の想像通り、香山コンシェルジュの娘です。」

「いつもお世話になってます」

「え、いえいえこちらこそ」

傍から見たらすごい光景だろう…。
黒髪の美少女と一緒に深々とお辞儀する。

「ところで、具体的にいつまで君が担当するの?」

顔を上げると茶色の髪の毛をした男の子の警戒を滲ませた思慮深い瞳に射抜かれ体が無意識に固まってしまう。
いったん呼吸を整えて姿勢をただしてから、できるだけゆったりとした口調で言葉を紡ぐ。

「私は父から、長期休暇を貰ったから私が戻るまで頼んだよ、としか言われていません。なので具体的にいつ、と聞かれても正確な事は言えませんが、戻る一週間前に連絡を寄越してくる手はずになっていますのでその連絡がきたら住人様にお伝えするつもりです。」

「そう、ちなみにマンションの住人はみんな覚えたの?」

見えない壁に押されるように、畳み掛けるように言われるトゲのある言葉に、背中に冷や汗が伝う不快な感触を感じる。

「はい。」
震えそうになる声を押し殺し、穏やかな笑みを崩さずに、返事をする。

「じゃあ、この中で誰が住人?」

試されているんだ、と思う。
答えを間違えたら担当を変えられんだとも、思ってしまう。

この人は本当に高校生なんだろうか。

「...、お答えできません。」

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作者名:藍くん | 作成日時:2017年9月24日 19時

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