推しだって大切な人 ページ29
後日
私は、田中さんに謝罪しに行ったあと、雄大くんの病院に行った。
拓也さんを連れて
『大丈夫ですか？』
拓也さんは、病室の前で震えて突っ立っていた。
江｢へ！？あ、うんうん！！！！｣
あかんやん
『…じゃ、行きましょうか』
私は病室のドアを開いた。
そこには、座っている雄大くんと、雄大くんのお母さんがいた。
『っ…！？』
雄大くんが…座って……
君猫の結末とは違う…雄大くんは生きてるんだ…
ちゃんと、生きてるんだ…！
私は涙が出そうだった。
『……雄大くん…？』
でも、その目に光は無かった。
雄母｢久しぶりね｣
『ご無沙汰しております』
私はお辞儀をした。
それにつられて拓也さんもお辞儀した。
『こちらは、私の今の大切な人です』
私は、嘘偽りなく、ハッキリ言った。
雄大くんのお母さんは、とても驚いた顔をしていた。
雄母｢そう、なら仕方ないわね…｣
その顔はとても苦しそうだった。
『っ…！……ぁのっ』
すると、拓也さんが私の前に出た。
江｢…あの、雄大さんのことは聞きました。俺は、彼みたいにAさんを幸せな気持ちには出来ないかもしれないです。｣
………え？
いや、してくれないと困るんだけど…
雄母｢な、何が…言いたいの？｣
江｢でも、俺なりにAさんを幸せにする事には全力で取り組みたいと思っています。｣
……なる…
『ふっ…』
私は笑ってしまった。
『お義母さん、私は彼と今後、人生を共に歩みたいと思っています。だから、雄大くんとの話、お断りさせていただきます』
雄大くんのお母さんは驚いていたが、案外すんなり受け止めてくれた。
雄母｢…そう｣
私は雄大くんに近づいた。
『雄大くん、今までありがとう。頑張って、強く生きてね』
雄大くんは、喋らない。
ピクリとも動かない…
『……』
雄｢ぅ…｣
……！
微かに声が聞こえた気がした。
雄母｢雄大！？｣
お義母さんは、ナースコールをした。
私は嬉しかった。
でも、これ以上は邪魔になる。
私は一礼して、拓也さんと一緒に病院を後にした。
『…元気になるといいな』
江｢……うん｣
すると、拓也さんがハッとした。
江｢A！｣
『何ですか？』
江｢俺と、今後の人生を共に歩んでくれるの！？｣
あ…
『そっ…違くないけど違う！』
江｢どっち！！？？｣
『…ま、まだ早いからぁぁぁぁ！！！！！！』
ゴスッ！
江｢い゛っ…！でぇぇぇぇ！！！｣
拓也さんを殴る音が春の訪れとともに響いた。
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透(プロフ) - まふさん、コメントありがとうございます！そういえばその話解決してませんでしたね！？すみませんでした！後日オマケとして投稿させてもらいます！ (2021年3月10日 20時) (
レス) id: abc417a122 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです！ひとつだけ気になっている所があるのですがしぐぅは一体何者だったんでしょうか？？ (2021年3月10日 7時) (レス) id: bf6db8f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - miuさん、ありがとうございます！ホントに今ホッとしてる楽しく書かせてもらっています。これからも応援よろしくお願いします！ (2021年3月6日 18時) (レス) id: abc417a122 (このIDを非表示/違反報告)
miu - 合格おめでとうございます！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月4日 21時) (レス) id: d9cbb62666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2021年2月19日 8時
