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推しだって君しかいないと思わせてくれる ページ28

『喋れたりって…』

すると、電話の向こうからため息が聞こえた。

雄母【まだ、指一本を動かすのも精一杯ってところで…】

『そう…ですか……』

雄母【それでね、ひとつ聞きたい事があって…】

『はい、何でしょう』

雄母【雄大と、もう一度やり直さない?】

…………

時が…止まった気がした。

私は口を動かすことが出来なかった。

雄母【Aさん?】

名前を呼ばれて、ハッとした。

『え…と……』

雄母【今すぐ返事をくれなんて言わないわ、ただ頭の隅に置いておいて欲しくて】

『……』

私は微かに震えていた。

雄母【また、あの日が来るかもしれないのよ】


…私は……


『時間を…ください……』

電話を切ると、私は力が抜けた。

もちろん、答えは決まっている。


拓也さんだ。


中学の頃から好きだった、憧れの人と付き合える。
こんなに幸せなことは無い。

だから…

だから……

すると、廊下のドアが開いた。

江「どうしたの?」

『あ…拓也さん……』

その顔を見ると、私は一気に気が抜けた。
私は拓也さんに意味もなく抱きついた。

江「うぉっ…!」

何故かは分からない。
でも、離したくなかった。

江「…??」

拓也さんの服を濡らすわけにはいかへん…

私は拓也さんから離れると、下げていた顔を上げた。

『…雄大くんが、少し動いたらしいんです』

江「えっ…」

『雄大くんのお母さんに、よりを戻さないかと言われました』

江「…そ、それは」

あぁ…普段めっちゃ楽しそうで、めっちゃうるさい拓也さんでも、こんな顔するんや…

空気も読まず、私はこんなことを考えていた。

『私は、拓也さんしかいません』

江「Aっ…!」

それに、雄大くんやって、うちに新しい生活をしろって手紙で…

私は、ずっと震えていた。

何でやろ…今日は寒くないはずやねんけどな……

すると、拓也さんは私の方を掴んだ。

江「俺は…Aが幸せなら…」

拓也さんも震えてる…

『……』

江「ちゃんと…諦めるから……」

は?

諦める?今諦めるって言った?

え、何で?

うち、拓也さんしかいないって言ったやんな…?

な、なんか…
何かムカつく!!!

『拓也さん!』

江「えっ…」

『私は拓也さんが好きです!なのに、何でそんなこと言うんですか!?』

江「A…」

涙が溢れてきた。

『…っ…いつもみたいに…ワガママ言ってくださいよ…ぐすっ…』

江「……!」

拓也さんは、私の肩から手を離して私を見た。




江「ありがと」

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(プロフ) - まふさん、コメントありがとうございます!そういえばその話解決してませんでしたね!?すみませんでした!後日オマケとして投稿させてもらいます! (2021年3月10日 20時) (レス) id: abc417a122 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです!ひとつだけ気になっている所があるのですがしぐぅは一体何者だったんでしょうか?? (2021年3月10日 7時) (レス) id: bf6db8f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - miuさん、ありがとうございます!ホントに今ホッとしてる楽しく書かせてもらっています。これからも応援よろしくお願いします! (2021年3月6日 18時) (レス) id: abc417a122 (このIDを非表示/違反報告)
miu - 合格おめでとうございます!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月4日 21時) (レス) id: d9cbb62666 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年2月19日 8時

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