推しだってワイを恋人以上にする…？【江口拓也】【その他男性声優】

推しだって負けられない ページ14

【江口拓也目線】

俺は三時間前に現場に入り、最終確認をしようと思た。

ガチャ

現場には武内くんがいた。

武｢あ、おはようございます｣

江｢あ、うん、おはよぉ〜｣

武内くんは一礼すると座って台本の確認をし始めた。

すると、こーたろーが入ってきた。

西｢あ、パイセ〜ン！おはようございまぁすっ｣

江｢おはよー｣

西｢あ、やっぱしゅんすこは早いなぁ！｣

そう言ってこーたろーは武内くんに肘をうりうりとした。

江｢やめたれよw｣

武｢いや、大丈夫ですけどw｣

西｢俺も台本確認しよぉ〜｣

そう言って沈黙が続いた。

武｢す、すみません…｣

武内くんが俺に話しかけてきた。

江｢ん〜？｣

武｢ここの｢か｣って鼻濁音と無声音どっちの方がいいですか｣

…ん？んー、俺的には無声音だけど…

江｢えーと…実際に言ってみた方が早いんじゃない？｣

武｢そうっすね、ありがとうございます｣

江｢いや、俺なんもしてないけどw｣

いや、真面目だなぁ〜…！？

江｢……｣

武内くんは部屋の端っこで壁に向かって言い出した。

ま、負けてる気がする…

西｢武内くん、セリフなんだったらぁその｢か｣は無声音の方がいいと思うよ｣

…！？

俺は驚いてバッとこーたろーを見た。

武｢え、ありがとうございます｣

……

いや…覚えてる、覚えてるよ？
声優のことだけは人生で一番勉強したし…で、でも…

すると、ドアが開いた。

蒼｢おはようございま〜すっ！｣

西｢あ、翔ちゃんおはよぉ〜｣

武｢おはようございます｣

蒼｢うん、おはよ〜…あれ、拓也くんどうしたのさ？｣

翔ちゃんだぁ…語尾可愛い…

江｢ううん、なんも無いなんも無い、おはよ〜｣

俺は気を引き締めようと思い、軽く顔を叩いて台本の確認をし始めた。

負けたくないな…

開演、二時間前。

覗くと、外には人が並んでいた。
Aの姿は見当たらない。

西｢Aちゃんのことですか？｣

江｢い゛や゛ぁ゛！？｣

西｢いや、わかりやす過ぎw｣

江『いや、だって…来るって言ってたし』

すると、こーたろーは俺の頭を撫でた。

江｢う゛え゛ぇ゛！？え、何！？｣

俺はビックリして急いでどいた。

西｢心配し過ぎですよ〜？あのAちゃんですよ？ちょっと遅れてるだけですよ｣

江｢…！……うん｣

そう、だよね…

西｢探しに行くなら行ってもいいですけど、帰ってきてくださいよ？｣

江｢…うん｣

俺はこーたろーの頭をわしゃわしゃした。

西｢わっ！｣

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