恋患い (ページ12)

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(稜雅side)

早足で部室へ向かう。

話しかけるの無理とか祐基に言っといて、つい話しかけてしまった。

めちゃくちゃ驚かしちゃったじゃん、めちゃくちゃ怖がられてたじゃん。
拓弥の後ろに隠れちゃうくらい俺のこと怖がってたじゃん。

やっぱ俺なにかやらかしてたんじゃねえの…？
やらかしてないとあんな避け方されなくね…？
え、むり怖い、女子怖い、人間怖い

？「稜雅！」

悶々と考えながら廊下を歩いていると後ろから声をかけられる。

振り向くと、そこには海が立っていた。

「海じゃん、お疲れ」

海「お疲れ、部室まで一緒行こうぜ」

「おう」

海「で？何考え事してたの？」

「え？」

海「なんかすっごい不思議な顔してたよ笑」

不思議な顔ってのがよく分かんないけど…、海は人の変化に敏感な男だ。何かあればすぐ気付く。
こういう男がモテんだよな、知ってるよ。かっこいいよな海は…。

「なんでもないっす…」

海「なんで突然よそよそしいんだよ」

「いやほんと、何もないっすから」

海「はいはい笑」

そうこう話してるうちに部室へ到着。
部室では練習着に着替えた祐基と太陽がアップをしていた。

祐基「あ、やっと来た～遅くない？」

太陽「もう一通りアップ終わったで～」

「ごめんって、ちょっと人と話してた」

太陽「え、あの稜雅が？」

「おい、俺のことバカにしてんだろ芭蕉」

太陽「そっちこそ俺のことバカにしてるやろ」

「おま…一応俺先輩なんだけど？」

海「もう先輩後輩はこの際いいんじゃない？笑」

まあ確かに今更上下関係なんて気にしないけどさぁ、太陽は俺にだけ当たり強いんだよな…。なんで？

「祐基」

祐基「んー？」

俺は、ストレッチをしてる祐基を部室の隅に呼び出した。

「…その、さっきAさんと…話したんだけど…」

祐基「えっ！？」

「うるさっ、そんな驚く…？」

祐基「いや、え、驚くよそりゃ…Aから話しかけられたの？」

「いや…俺から…」

祐基「まじ！？」

祐基はただでさえ大きい目をさらに見開き驚いていた。
だよね、わかる。
話しかけた俺自身もびっくりしてるんだから祐基も驚いて当たり前。