恋患い (ページ2)

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愛染ページ2

新学期が始まって、みんな新しいクラスに慣れ始めた頃。

HRが終わり
家に帰る人や部活に行く人で賑わう教室で、私は今日もその人に心奪われていた。

「かっこいい…」

祐基「誰が？」

「わっ祐基くん…」

祐基「あ～また稜雅ぁ？笑」

隣の席の祐基くんは目が悪いのか、睨むように船津くんのことを見る。

「いいじゃん見るくらい…」

祐基「声かければいいのに」

「人生そんな甘くないよ」

祐基「なにそれ」

1番後ろの窓際の席。
そこに座っているのは私の片思いの相手である船津稜雅くん。

あんまり人と話してるところ見ないから、話すこと自体そんなに好きじゃないのかなって思って声をかけられずにそろそろ1ヶ月が経つ。

そう、1ヶ月も経ってしまった。

祐基「俺が仲介役になってあげよっか？」

「なんかややこしくなりそうだしシンプルに私のメンタルが無理だからやめて何もしないでお願い」

祐基「早口になるの笑う笑」

「笑い事じゃないから！」

祐基くんとは普通に話せるのになんで船津くんのことになると一気にコミュ障になるんだろ…。
私別にコミュ障じゃないのに…むしろフレンドリーな方だと思う。

「てかいいなぁ呼び捨て…船津くんと仲良しなんだっけ？」

祐基「まあ幼馴染だからね。Aも呼び捨てで呼べばいいじゃん」

「そんな本人の許可なく呼べないよ」

祐基「許可とか必要なの？」

「うん」

祐基「謎すぎ笑」

そんなことを祐基くんと話してる時、

？「A～、帰るよ～」

教室中に響き渡るような声で私の名前を呼んだのは隣のクラスの草川拓弥。

祐基「来たよ彼氏」

「違います」

拓弥「あれ？祐基もいんじゃん、帰んないの？」

自分のクラスみたいに颯爽と教室に入ってくる拓弥は本当に凄いと思う。さすがマイペース。

祐基「今日友達と帰るからタイミング伺ってる」

拓弥「ふーん」

祐基「拓弥たちはもう帰んの？」

拓弥「うん、早く帰ってゲームしたい」

祐基「あ～…俺もしよ」

「だめ、祐基くんは英語の宿題してから」

祐基「なんで」

「いっつも見せて～ってくるじゃん？あれ嫌だし」

祐基「え～」

「じゃ、また明日ね」

祐基「はーいばいばーい」

「待って拓弥～」

鞄を持って拓弥の後を追う。

拓弥って歩くの早いんだよね、ちょっと待ってくれてもいいのに。

なんて思いながらその日は拓弥と2人で帰った。