月下美人 (ページ4)

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千空目線ページ4

はじめはアイツが俺の家の隣に越してきたことだった。
近所挨拶に来たアイツを前に俺は
(絶対カタギじゃねぇー)
としか思ってなかった。マジモンのヤクザか…？とか思ったけどヤクザだとしたらあんなヒョロヒョロなのは危ねえしな…性格も全てがどうでもいいと思ってそうな顔だった。
アイツは未成年にもかかわらず夜の街へ繰り出していた。
たかが隣の家の女だ、ここら辺は最近どっかのマフィアの構成員がうろちょろしてることも教えなくて……
「オイ」
A「…私？」
「クククそうだよ最近はどっかのマフィアがうろちょろしてっから夜は危ねえぞ」
A「ご忠告ありがとう、気をつけるね」
「出歩かないって選択肢は？」
A「無いね、これから仕事なんだ」
「仕事ぉ？未成年じゃ」
「そうだね。でもあるよ」
妙だな未成年一人暮らしの割にはいいスーツ着て、夜に仕事かよ…マフィア…だが…だとしたら……考えたら分かることだ
「クククそういう事か」
A「…分かったの？」
A「私に未成年未成年言いながら君はまだ中学1年くらいじゃん」
「何故分かる…」
A「見たら分かるよ」
クククおもしれぇ…
「じゃあな気をつけろよ」
A「…うん。」

Aが家に帰ってこなくなって一週間。死んだか？
千空「ククク後はこうして…こうすれば……即効〇〇の出来上がりだぜ」
ジャリ
帰ってきたか
千空「ククク失敗か…何でこうなるんだ？どうしたら成功するんだ？唆るぜ！これは！」
A「何やってるの」
千空「あ？なんだテメェ隣に越してきたやつか」
名前は知らねぇ
A「そーだよで？何やってんの？」
なにってそりゃあ
千空「実験だよ…！〇〇を△△したら…！」
A「そこまでしてナニがしたいの？」
何がしたい…？
千空「宇宙に行く」
A「へぇ…それは大層な夢だねぇ」
あ？
千空「ソッコー行く」
A「えぇ…」
「Aあ、そういえば名前何ていうの？」
千空「ああ？なんで俺が教えなきゃなんだよ」
A「いや、隣の部屋だし知ってたほうがいいかなーって」
それもそうだな
千空「あぁ？…石神千空…どうとでも呼びやがれ」
A「私は…山田ナナミ」
山田……A……
A「よろしくね。」
千空「ああ？よろしく」

どっか行ったな。
山田か……
ありきたりな名前だな