☆ ym ページ12
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「 いのお、けい 先輩 …………… 」
初めて口ずさんだその名前はなんだかこそばゆくて、響きが先輩にぴったりな感じもして、案外ふわりと舌に溶けた。
「 やーまーだー!何考えてんの? 」
やば、大ちゃん居るの忘れてた。
なんてそんなこと言ったらぷんすか怒りそう。
「 別にー 」
にしても伊野尾先輩バスケ部かあ、俺サッカーだしなあ、、、
会う機会少な過ぎない???というか関わりとかもって無い俺って話す機会無くない?あああ、こんなんだったら昨日話しとけば良かったかな。
なんて1人で項垂れて。
大ちゃんを置いてけぼりにしてる自覚はちょっとはある。でも今それどころじゃない。
はあ、と口をついてでる溜息を誤魔化すように、ふと、廊下に目をやった。
「 ん? あれ 」
あの人って、、なんか伊野尾先輩っぽくない??
似た見た目の人が確かに廊下を歩いてるのが見えた。いや、絶対そう。俺があの人を見間違える訳がないもん。幻覚じゃない限り。
なんて俺、どんだけ会いたいんだよ
自分でも思わず笑いが込み上げてくる。
流石に昨日の今日でいるわけない、そんな偶然あるわけない、なんて思いながらも足は自然とそっちに向かってく。
「 山田?? どこ行くの 」
ごめん大ちゃん。ちょっと今構ってられないわ。なんて勝手都合で胸の中だけでそっと謝っておく。
「 うん、ちょっとね 」
教室の扉から廊下を覗く。
あ、いた。
隣のクラスのちっこいやつと話してる。多分昨日伊野尾先輩を呼びに来た奴。
へえ、先輩って肩揺らして笑うんだな、なんて気付いたら観察なんてして。楽しそうだなぁ。良いな。話したい。俺も話しかけてみたい。
だけど話しかける勇気なんて微塵も持ち合わせていない。
ふと悲しくなって、やるせない気持ちを抱えたままそっと大ちゃんの待つ自分の席に戻った。
まさか廊下の2人が俺の事を話してたなんて、そんなことは気付くはずもなく、ましてや知る由もなかった。
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すふれ(プロフ) - 霄さん» 返信ありがとうございます(;;)はい!これからも応援しております!!!!! (2018年3月27日 9時) (レス) id: f19eafaede (このIDを非表示/違反報告)
はくまい。(プロフ) - コメント失礼します!すごく面白くて初々しい山ちゃんと先輩の伊野尾の恋愛(?)にきゅんきゅんが止まりません!!これからも頑張ってください! (2018年3月26日 0時) (レス) id: f19eafaede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほたて | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/hotate__u
作成日時:2018年3月15日 7時