Candy (ページ7)

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告ってもないのに振られる、って多分こういう事だ。
ほんの数分前に気付いたこの気持ちは、ついさっき見事に砕けた。

「その人のことになると結構喋るんだな」

いつも聞き役に徹してることが多い彼にそう告げる。そんなことも知ってるって、俺意外と普段から見てたんだな、って要りもしないことに気が付く。

「あれ、ほんとだ」

頬を紅潮させる彼の目線はきっと俺と交わらないんだって実感をさせられた。

「ごめん、面倒だったでしょ」

「全然。いつでも聞いてやる」

照れた顔が可愛いから、なんて下心を隠して言ってみたら屈託のない顔で微笑んでくれた。

「ちーちゃん」

突然現れた甘ったるい声は、一瞬にして目の前の彼の顔をまた桃色に染め上げた。

「あ、せんぱい」

「お、付けてんじゃん。かわいーね」

「知ってますよ」

「生意気だなー、行こっか」

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「お前にはぜってーやんないから」

すれ違いざま、急な言葉に驚いて振り向くと、ムカつく美形が舌をだして挑発してきた。

あー、無理だ。無理無理。
あんなん叶いっこないって。

「じゃあね、涼介」

「ん、じゃーな」

俺には友達、くらいがきっと丁度良い。

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