エースという男9 ページ28
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友達だ。その声にしんっと静まり返る。
ﾏﾙｺ｢そうか。残念だったねい｣
マルコはぽん、とAの頭を撫でる。実際、マルコはこのような場面を数えられぬ程経験してきた。ましてや、あったことも無かった人物の死に対して悲しむなんてことはしなかった。
彼はそういう意味では本物の海賊だった。
『おれの、せいだ…』
ｴｰｽ｢！｣
『おれが、連れてこなかったから…無理やりにでも連れてこれば、良かった…』
Aは泣くことは無かった。しかし、ただただ俯き、独り言のようにそう言った。
ﾏﾙｺ｢お前のせいじゃない。…それに、悔やんだって死んだやつは戻ってきやしねぇ。辛いだろうが、乗り越えろ。｣
マルコはそう言い放つと野次馬を追っ払い、エースにAと居るように命じた。
ﾏﾙｺ｢悪いがエース。そいつが落ち着くまで、一緒に静かなところにいてくれねぇかい｣
ｴｰｽ｢あァわかった｣
ﾏﾙｺ｢……さ、お前ら！花と棺桶を用意しろ。水葬するぞ、｣
海賊には"火葬"という概念はない。
船の上で故人を燃やす訳にはいかない。よって大抵の場合は小舟に乗せて花や物を置き、水葬として海に流すのだ。
それはこの白ひげ海賊団も同じ。
仲間が亡くなる度、こうして木の棺桶に花や果物を添える。見知らぬ子供の死体をこうして悼み、水葬してやるのは、やはり彼らが海賊らしからぬ優しさも持ち合わせているからこそだろう。
＿＿＿＿＿
ｴｰｽ｢……｣
『……』
エースとAは甲板の隅ですわりこんでいた。
沈黙を通す2人。破ったのはエースだった。
ｴｰｽ｢……残念だってけど、お前は悪くねぇよ｣
エースはAの顔を覗き、な？と宥めるように言う。
『おれが、殺したようなもんだ。』
ｴｰｽ｢〜いい加減にしろよ。｣
エースはすこし怒った。
ｴｰｽ｢ナルが自分で言ったんだ。誰も悪くねぇよ。｣
『いや。……あいつ、殺されたんだよ。人間に。』
ｴｰｽ｢は｣
『包帯は取れてたし、新しい生傷も沢山あった。きっと、散々なぶられた後に海に捨てられたんだ。』
ｴｰｽ｢…｣
『最期に見たのは、怖い人間だったよ。』
ｴｰｽ｢でも、確定じゃないだろ…？拷問されて死んだなんてよ…｣
『でも、ナルは死んだ！！！』
ｴｰｽ｢ｯ｣
『……あ』
叫んだ後にエースの反応を見て、バツが悪そうに小声になる。
『それだけは、何も違わない。』
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快斗 - ついに6作目ですね！めっちゃ好みです｡応援してます！ (2021年4月17日 0時) (
レス) id: 670a53b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
茶灯まって(プロフ) - ぽんさん» 外し忘れてました…気をつけます！教えてくださり、ありがとうございます！！！助かりました。 (2021年4月16日 19時) (レス) id: 14d735e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
茶灯まって(プロフ) - 三日月狐さん» ありがとうございます！！！できるだけ、もちろん無理のない範囲で更新していきます！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 14d735e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
三日月狐(プロフ) - 続編おめでとうございます！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるけど、無理のない範囲で頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: 3509484858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶灯まつ | 作成日時：2021年4月16日 18時
