エースという男6 ページ25
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？｢助けてくれて、ありがとう…｣
『だいじょーぶ、気にすんな。』
少年の青い肌に包帯を巻きながら言う。
打撲、切り傷が酷く、すぐには海に潜ることができないだろう。
ｴｰｽ｢お前、治療うめぇな｣
俺、包帯いつも途中で燃やしちまうから…とエースは言う。
『こんくらい誰だってできるだろ〜』
Aは褒められて満更でもないようだ。
ｴｰｽ｢そういや坊主、お前の名前は……？あ、俺はエースってんだ｣
『Aだ。』
？｢えと、、ナル……｣
ｴｰｽ｢『エトナル…？』｣
ﾅﾙ｢ナル！です。｣
『いーい名前じゃねぇか』
わしゃわしゃと少年の頭を撫でる。
『ナル、お前はなんで危険とわかって人間のところに来たんだ？』
ﾅﾙ｢っ｣
魚人と人間、その中に生じた歪みは到底埋められるものではない。
危険だと、人間は恐ろしい。魚人は恐ろしい。互いを知らないまま恐れ、貶し、馬鹿にしている。
魚人島で、故郷で痛い程学んだはずだ。
ﾅﾙ｢…ボクの父さん、魚人島で人を殺したんだ。｣
『！』
ｴｰｽ｢…｣
ﾅﾙ｢家が貧乏なのに兄弟が多いから、お金が足りなくなって｣
ﾅﾙ｢…人を殺した後、ボク達兄弟も、母さんも魚人街から追い出されて…｣
ﾅﾙ｢母さんはどこかに行っちゃうし、下のやつらは食べ物なくて死んでくし、上の兄さんたちはヤクザと絡むし……｣
ﾅﾙ｢ボク、海から陸に出ていった1番上の兄さんを探しに来たんだ。｣
ﾅﾙ｢死に物狂いで色んな人から奪ったけど、捕まっちゃって……｣
少年の大きなピンクの瞳から涙が
ﾅﾙ｢…こんなこと思っちゃいけないのに……｣
ﾅﾙ｢父さんが、人殺ししなければ良かったのにって、思っちゃうんだ。｣
『……』
父親が人を殺してものを奪わなければ、貧乏でも幸せだったのに。そう嘆く。
Aはどうしもようもない不快感を抱える。
自分が悪魔の実を食べなければ、あの家族は幸せだった。……そう、拭いきれていない思いがまだ心に蔓延る。慰めてくれた今の家族がいようと、日々罪悪感に押しつぶされそうなのは変わらなかった。
ｴｰｽ｢A？｣
ポンッと肩を叩かれてようやくハッとする。
ｴｰｽ｢汗酷いぞ、大丈夫かよ｣
『え、あ、あぁ。』
ｴｰｽ｢…それより、こいつどーすんだよ。船に連れてくか？｣
『そ、だな……お前が望むなら、おれたちはお前を歓迎するが…』
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快斗 - ついに6作目ですね！めっちゃ好みです｡応援してます！ (2021年4月17日 0時) (
レス) id: 670a53b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
茶灯まって(プロフ) - ぽんさん» 外し忘れてました…気をつけます！教えてくださり、ありがとうございます！！！助かりました。 (2021年4月16日 19時) (レス) id: 14d735e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
茶灯まって(プロフ) - 三日月狐さん» ありがとうございます！！！できるだけ、もちろん無理のない範囲で更新していきます！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 14d735e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
三日月狐(プロフ) - 続編おめでとうございます！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるけど、無理のない範囲で頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: 3509484858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶灯まつ | 作成日時：2021年4月16日 18時
