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それはなんとも幻想的で美しい世界だ。洞窟の中だと言うのに昼のように明るく、木や花が美しく咲いている。季節の花の香しい香りが鼻腔をくすぐる。
「なんて……」
『綺麗だろ？』
そう呟く男は優しい顔をしていた。
「ここは何？」
『ここは俺の植物園。…正確には俺の爺さんの、だがな。』
『明るいのはあの水晶のお陰だ。地上の光を吸収して昼は明るく、夜は暗くなる。』
男の指さす先には煌々と太陽のように輝く大きな鉱物が天井ビッシリとひしめいていた。
『ほぼ温室みたいなもんだ。地面の熱のお陰で寒い季節でも春の花が咲く。夏は逆に涼しくなる。』
『こっち来い。』
ついて行くと、草木を掻き分けた先に、木と木に結ばれたハンモックと椅子、ソファなど家具が置かれていた。何よりロビンの目を引いたのはソファと向き合う形で置かれている大きなキャンバスだ。それはまだ何も描かれてなく、水晶からの光で白く反射している。そして床には既に描かれた絵。1枚だけじゃない。何枚も何枚も、花や木を描いた美しい絵が乱雑に置かれている。
『さっき言い忘れていたが、俺は画家だ。』
『お前には絵のモデルになってもらう。それがここに住まう条件だ。』
拒否権はねェぞ、と言うと男はすぐに椅子に腰掛け、ロビンを顎でソファに誘導する。
「……」
ロビンは予想外の命令に思わず数秒固まった。その後、さっきより肩の荷が降りたがまだ震える指で髪を解き、シャツのボタンを外していく。
『……おい、何脱いでんだ』
「…ヌードを描くのかと」
『お前ェ自分に相当自信があるみてェだな』
男はロビンの気遣いを眉間に皺を寄せて拒絶した。女を描くと言ったらヌードじゃないのか、とロビンは目を見開く。
『俺はガキの裸に興味なんかねェよ』
後頭部を掻きながら男は呆れ気味で指示を下す。
『服着てソファに座れ。…そうだ。背もたれによりかかって本でも読んでろ。動くなよ』
それだけ言うと、男は木炭を手に形取りをし始めた。
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みみっちゃ - 面白かったです。頑張って下さい。 (4月21日 10時) (
レス) @page8 id: 15eed5205a (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - まだ少ししかお話書かれていませんが、とても面白かったです！続き楽しみにしています (7月5日 22時) (レス) @page4 id: 6590863194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつ | 作成日時：2023年4月14日 1時
