白百合の少女 (ページ11)

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Episode9 束縛ページ11

練習後。

ルースに人気のない所に連れてこられた。

「秘密を守れたのは利口だけど君は僕の恋人なんだから、気安く他のメンバーに触られちゃダメだよ。」

「それじゃあストレッチとかする時に困るじゃないか…
君と毎回組むにしても不自然過ぎて逆に怪しまれるだろ。」

「しょうがないなぁ…じゃあ少しは譲歩してあげるよ。
でも妬けちゃうから、、」

すると急に壁に押し付けられてユニフォームをずらされ、ｶﾌﾟｯ
っと突然肩に噛み付かれた。ﾁﾘｯとした痛みが走る。

「んっ…」

体感した事の無い痛みに目をつぶりながら耐えていると、満足したらしいルースが顔を上げた。壁に備え付けられている大きな鏡の前に連れていかれる。

「見て。上手に出来たでしょ」

噛まれた首筋を見ると、赤い点がついていた。まるで小さな花が咲いているみたいに。恥ずかしさから咄嗟に涙目になる。

「こんなものつけなくてもいいじゃないか！」

「僕が嫉妬で君をどうにかしてしまいそうだから、これでも充分に譲歩したつもりなんだけどな」

「今の季節じゃ虫刺されと言い訳しても通らないぞ！歯型までしっかり残しやがって…」

「もっと酷いことされたいなら今のは無しにするよ？」

「分かった！分かったから！」

「大好きだよユーリ。性別関係なしに皆が君に惹き付けられていることをもっと自覚して欲しい。」

そう言ってルースは宿舎に去っていった。
ユーリはへたりと床に座り込む。

「これからどうすればいいんだ…」

ルース side

ユーリを独り占め出来ているだけで満たされていた。
彼女の初めてを僕が奪えるのも嬉しかった。
柔らかい唇の感触を思い出しただけで興奮が収まらない。
だけど同時に心のどこかではいけないことだとわかっていた。これでは彼女を少なからず傷つけているに他ならないと。
でも止められない。
自分の恋心が彼女に対して牙を剥いていたとしても。他の人に取られたくない。フロイになんて取られたくない。
彼女が僕を見てくれないなんて耐えられない。

今は脅しという言葉でしか彼女を自分に繋ぎ止められないことが苦しかった。