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「それから、Aが『蓮の家行く』ってきかなくて。着いたと思ったら『あつい』とか言いながら服脱ぎ出すし。それで慌てて俺のシャツとAでも履ける様にって高校の時のハーパン渡したんだけど、シャツしか着てくれなかったんだよね。それからそれから、」

「もういい!ストップ!恥ずかしすぎ!」

蓮は絶え間なくわたしの失態を話し続けようとして、聞けば聞く程、羞恥心で死にそうになるので慌てて止めた

シャツ1枚の理由も本当にとんでもなく恥ずかしい

「ごめんごめん。ねぇ、Aさん。向き合うって言ってくれたの信じてるから」

ベッドに腰掛ける蓮の両手が、未だ横になってるわたしの顔の横にそっと置かれる

急に真面目な顔つきに変わって、真っ直ぐわたしを見下ろす蓮

「俺もちゃんと向き合って、またふたりで再スタートしたい。どれだけ時間がかかっても、また京のこと振り向かせるから」

あの言葉も今なら嘘じゃないと思える気がする

過去に囚われず、今、真っ直ぐわたしを見てくれる蓮を、わたしは信じよう

少しづつ記憶の彼方の過去を溶かして、新しく未来をつくろう

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作者名:優夛 | 作成日時:2022年11月29日 0時

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