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｢深澤さん、向き合わなきゃだめなんですかね｣
深澤さんに聞いても仕方の無いことだと自覚はあるのに、尋ねずには居られなかった
｢そぉね、遅かれ早かれ向き合わなきゃならないさだめだったんだよ｣
グラスが結露してテーブルに垂れた水を、深澤さんは指で遊びながら言う
｢どれだけ時間が経っても、解決に時間が掛かっても、蔑ろにしちゃダメなことってどうしてもあるから｣
「そうですか...。そう、ですよね...」
初めて酒の席で真面目なことを言われた気がする
6年間、ずっと向き合えずにいたあの日のことを思い出した
彼の未来にわたしは要らなかったのだと、酷く哀しくそして虚しく思った
モデル活動を始めたこと、なんで教えてくれなかったんだろう、彼がわたしに伝えてくれなかったという事実が何より寂しかったのだと思う
彼が言ってくれた「必ず迎えに行くから」という言葉も霞んで消えてしまうほどに
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作者名：優夛 | 作成日時：2022年11月29日 0時
