射撃 ページ10
嗚呼愉快だ。滑稽だ。
危うくあの昆布みたいな頭の剣士に斬られるところだった。
ここは血鬼術の中。
だがこの血鬼術から出られたものは誰一人としていない。
何故ならこの血鬼術を破る方法は、誰も思い浮かばないからだ。
誰一人として。
.
『今更だけど、忍くんは本拠地というか忍の里みたいなところに戻らなくていいのだろうか』
「俺、今回の仕事で長期休暇もらったから……」
言いづらそうに忍くんは答える。仕事、とは何のことだか私達が知っているからだろう。
「じゃあ、どうするA？この血鬼術をとく方法でも考える？」
『そうですね、先ずは今日は＿＿＿』
すると旅館の窓の外から太鼓と図太い声が聞こえた。
「さあ、さあ！年に一度の大祭り！皆さん是非！今日の花火を楽しんでください！！」
「祭りか、今日……」
そう呟く、隠そうとしても隠しきれない忍のきらきらとした瞳。
『……今日はお祭りにでも行きましょうか』
「い、いいのか？！」
昔の君は分かりやすいよ、まあ今もですが、ど派手くん。
.
「おい派手派手！昆布！見ろ、ほら屋台すげぇから！！」
「誰が派手派手だ……Aが吹き込んだなアレ」
「確かに呼び捨てで呼ぶなっては言ったけど昆布って………殺していい？」
「いやアレ俺の子供の時のやつだから止めとけ。つーか、A、旅館の女将に捕まったきり帰ってこねーぞ」
＿＿＿＿＿「あらあら、皆さんもしかしてお祭りへお行きになられますか？」
＿＿＿＿＿「ええ、まあ」
＿＿＿＿＿「ああ、そうでしたか。それならお嬢さんはどうぞこちらの部屋に。あとの皆様方はお先にお出でなられてください」
「……確かに。僕ちょっとAの様子見に行ってくる」
そう言って宇髄さんに背を向けた、その時。
目にはいったのはAがこちらに向かってゆっくり歩いてくる姿。
『＿＿＿＿＿＿やあ、お待たせ。じゃあ行きましょうか』
ゆったりと、緩めに結った髪。淡い色の浴衣。
「A、どうしたの、それ？」
『嗚呼、女将さんに女性用の浴衣を無料貸し出ししていると言われたので』
「へぇ、派手でいいじゃねぇか」
『正直動きづらいですが(面倒な目)』
「……ふぅん」
似合ってるじゃん、って思ったけど、何か悔しかったから口にはださないでおいた。
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ひいらぎ・いろ(プロフ) - 紅林檎飴さん» お久しぶりです、紅林檎飴さんもどうか元気でお過ごし頂ければと願ってます。こんなにも長く作品を見てくれて、面白いと言ってくれて、小説書いてて一番嬉しい瞬間です、ありがとうございます。 (2021年3月5日 6時) (
レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅林檎飴(プロフ) - こんな遅くにごめんなさい、そしておひさしぶりです！！！あっ、覚えてないかと思いますが、元紅い林檎飴です！あのコメント以来ですかね...ここに戻って来ました！相変わらず面白くて大好きです！最近暖かくなってきましたが、体調にお気をつけて！ (2021年3月4日 22時) (レス) id: 24925b8b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひいらぎ・いろ | 作成日時：2021年3月3日 21時
