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頼み ページ1

「お願いします」


自分よりも何歳も年上の人に頭を下げられたら黙って頷くしかない。


『いいですよ、だからあまり心配しないで下さいね』


このまま此処に留まり、相手にお礼を言わせるのも忍びないと思ったAはその場から離れようと考えた。


『ああ、そうだ。ここらへんはあまり鬼が出るという話は聞きませんが、鬼に出くわさないよう、気を付けてくださいね』


ひらりと手を振り、月夜の青白い不気味な光に照らされてAは歩いていった。





.


『やあ、昆布くん』


「僕昆布じゃなくて無一郎って名前だって何度言ったら…いいや、で?話があるんでしょ?早く要件言ってよ、僕だって暇じゃないし」


実は、
昨日の夜、不死川さんの家に行き、昆布くんに、明日私の家に来てもらうようお願いしてもらったのだ。

私は不死川さんと、ど派手くん(宇髄天元)の家しか知らないからね。


『実は君には私の花婿になってもらおうと思って』

「……は?」


『実は_____』


__昨日。


___「お願いします、実は明後日娘の結婚式があるんです。ですが、鬼からこんなものが届きまして…」


鬼から届いたものは、簡単に言えば脅迫状であった。女性が言うのには、その鬼は昔、まだ人間だったころに、その娘と婚約関係だったものらしい。

だが、鬼になってその婚約関係は解消された。その事を根に持っているのではないか。

だから娘の結婚式の前にAには囮として花嫁になってもらい、鬼をおびき寄せてほしいとのことだった。


「お願いします……お願いします……」



Aはその話を聞いて先ず、女性の目を見た。その目は真剣であった。

次に、手を見た。その手は震えていた。

声を聞いた。その声は震えていたが結婚する子を思った母の声だった。


傍から見れば何て自分勝手な話だと思った。それはまるで娘の代わりに死んでくれと言うような。


だが、元来優しい正確であったAがその頼みを断るわけがなかった。


いいですよ、とAは微笑んだ。
だからそんなに心配しないで下さいね、と。

結婚→



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ひいらぎ・いろ(プロフ) - 紅林檎飴さん» お久しぶりです、紅林檎飴さんもどうか元気でお過ごし頂ければと願ってます。こんなにも長く作品を見てくれて、面白いと言ってくれて、小説書いてて一番嬉しい瞬間です、ありがとうございます。 (2021年3月5日 6時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅林檎飴(プロフ) - こんな遅くにごめんなさい、そしておひさしぶりです!!!あっ、覚えてないかと思いますが、元紅い林檎飴です!あのコメント以来ですかね...ここに戻って来ました!相変わらず面白くて大好きです!最近暖かくなってきましたが、体調にお気をつけて! (2021年3月4日 22時) (レス) id: 24925b8b99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひいらぎ・いろ | 作成日時:2021年3月3日 21時

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