明日のメニュー ページ7
「起きた? 大丈夫?」
まっしろけの天井、触れそうなのに触れない。小さい頃は手を必死に伸ばして触ろうとしていた。 天井に手を伸ばす。触れない。 わかっていた。
ふわっと、天井に伸ばしたその手は何かに包まれた。
「えっと、ここにいるよ」
「は…」
緑色。私の手を包んだのは緑色の目の人の手だった。 冷たくもあたたかくもなかった。 機械みたいだった。
「他の人は寿命縮んだとかって言えるくらいには回復するけど、驚きすぎたかな」
にゅっと微笑んだその顔は、男性の顔に見えた。 体は大きく、着ている服は前に来た大食いと同じだった。 彼はそう言ったけれど、なぜか私はとても落ち着いていて、
「寿命なんて、後いくつあるのか分からないものがなくなって何が怖いの」と、中身のない声で呟いた。
「それはおれにはわからないけど、君は生きているよ」
「それは…本当に? だって今までで一番気分がいいの」
「自分の首を触ってご覧。 脈はある?」
そう言われたので自分の首で脈を感じられるところを探す。しかしなかなか見つからなくて、少し苦笑いをして緑色の制服を着た彼は私の首にそっと触れた。
「うん、生きてる。 安心してね」
「あの、どなたですか」
「おれは獄卒。 さっきいたもう一人のも獄卒」
「ああいうの怖いですか」
「獄卒は死なないからね。微妙」
「死なないなんて、明けない夜を永遠に待つようですね」
「ふふ、綺麗な表現だね。 本の一部みたいだ」
そう言うと彼は私の手を元の位置に戻し、このことがおこった原因を話始めた。
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おりょうり(プロフ) - 亜鉛さん» 初めまして。最後までお付き合いありがとうございました。続きまで期待してくださりありがとうございます。ボチボチ頑張りますのでよろしくお願いします。本当にありがとうございました! (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - Cm@すたーしょこらさん» 最後までお付き合いありがとうございました! 煮詰まったり展開に悩んだりしたのですが完結できて良かったです。本当にありがとうございました。 (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛 - 続き、出来たら見ます!楽しみにしてますね!まぁ、無理にとは言いませんけどね。気長に待ってます! (2015年9月4日 22時) (レス) id: 80557561c9 (このIDを非表示/違反報告)
Cm@すたーしょこら(プロフ) - ご馳走様でした。終わってしまうのはとても惜しいですが、読んでいてとても楽しかったです。 (2015年9月2日 22時) (レス) id: 9b965d834a (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - マミむめもさん» マミむめもさん、コメントありがとうございます。 完全に私個人が食べたいメニューとなっております。 これからも更新頑張らせていただくのでよろしくお願いします。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりょうり | 作成日時:2015年8月2日 21時