焼き魚 ページ5
「ただいまー」
ガラガラいつもより重く感じるドアをあけ、同居人？ は居なくなったので返事は帰ってこない。 また一人だ。 疲れすぎてご飯だって作れそうにない。しばらく玄関に横になる。
「おかえり」
びっくりした。
横になった私を覗き込むようにしてお帰りを言ったのは幼い男の子。 ああ、またかと思えば男の子はにひっと笑い、
「お姉さん疲れてるでしょ、ご飯食べないの？」
「疲れてるのよ、食欲がね」
「大人はすぐそういうの、食べなきゃダメ！」
そう言うと私の頬をペチペチ叩くような動作をして、台所まで走っていく。
仕方ないなぁと料理をはじめようと考えた。
本日のメニューはお茶漬けです。
「えらくシンプルだね」
「疲れてるって言った、もう立ちたくないの」
男の子は興味津々という様子でお茶漬けのお湯の色を見ていた。 緑色のような色だった。
「僕ね、緑色好きだったの。 池と同じ色」
「私も緑好きよ。落ち着くの」
お茶漬けを口に運ぶ。温かくて、美味しかった。 男の子は私が食べている様子を何もせずじっと見ていた。
「僕ね、お母さんのお茶漬け好きだったの」
「私もお母さんのお茶漬け好きよ」
「前にいた女の子はどこ行ったの？」
「緑色の制服着たのに連れてかれた」
「そっかぁ…。 そっかぁ」
食べ終わり、男の子の話に耳を傾ける。
全てが思い出だ。
もし彼女がいれば彼には会えなかった。でも彼に会わなければ、あのオシャレに興味津々な彼女は居たのだろうか。
男の子は目を伏せたまま、しばらく黙っていた。
「私の家にいらっしゃい」
「うん」
きっと彼女もこうしただろう。
お茶漬けはお腹の中で冷めて寒かった。
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おりょうり(プロフ) - 亜鉛さん» 初めまして。最後までお付き合いありがとうございました。続きまで期待してくださりありがとうございます。ボチボチ頑張りますのでよろしくお願いします。本当にありがとうございました！ (2015年9月4日 23時) (
レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - Cm＠すたーしょこらさん» 最後までお付き合いありがとうございました！ 煮詰まったり展開に悩んだりしたのですが完結できて良かったです。本当にありがとうございました。 (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛 - 続き、出来たら見ます！楽しみにしてますね！まぁ、無理にとは言いませんけどね。気長に待ってます！ (2015年9月4日 22時) (レス) id: 80557561c9 (このIDを非表示/違反報告)
Cm＠すたーしょこら(プロフ) - ご馳走様でした。終わってしまうのはとても惜しいですが、読んでいてとても楽しかったです。 (2015年9月2日 22時) (レス) id: 9b965d834a (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - マミむめもさん» マミむめもさん、コメントありがとうございます。 完全に私個人が食べたいメニューとなっております。 これからも更新頑張らせていただくのでよろしくお願いします。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりょうり | 作成日時：2015年8月2日 21時
