【獄都事変】どうぞ、おあがりなさい

アサリの味噌汁 ページ27

なんやかんやあったが、今は木舌さんの行く方向へ着いて行く。たまに後ろを見てくるのは私がフラフラ迷子をしていないか確認するためだろう。先程から折り鶴を手に入れることが多く、もう7個ほど溜まっていた。

暫く歩くとまた焼け残った何かの様なものが落ちていた。やはり拾うと崩れてしまい、崩れた後にはぐちゃぐちゃの折り鶴が現れる。
今回のは赤色だ。

「んー、なんだろう。これ」
「鶴を集めろってことかしら。幾つあるのか賭けましょうよ。やる気が出なくもないわ」
「じゃあおれは9個にかけるよ。Aさんは？」
「そうね、11個にするわ」

それを聞くと彼はポケットへ折り鶴をしまい、また歩き始める。







「…ぅ」

ばごん！

呻き声が聞こえた瞬間、平腹がシャベルで木舌の頭を叩く。
どうやら平腹の言っていたことは間違いではない様で気絶させれば行動不能になる。

今彼の行っている行動というのは、自ら亡者に取り込まれ、Aさんと合流し、助けるという作戦だ。まぁ、上手く取り込まれることが出来るかが問題だったのだが案外すんなりと取り込まれてくれた。ただ気絶した様に座っているだけでいいなんて。

「なー佐疫。オレ、飽きた」
「そんなこと言わないで、俺は平腹みたく加減できる武器なんか持ってないんだし」
「うえー。斬島たちは？」
「そうだなぁ。亡者を捜してると思うけど」
「そっちの方が楽しそうなんだけど！んんー！」
「我儘言ーわない！」

平腹はよほど退屈なのかシャベルを床にカンカン叩きつけてつまんねー！と嘆いている。
木舌はまた気絶してだるんとしている。

早くしないと危ないなぁなんて考えていた。

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