焼きそば ページ18
後ろからガツンときた衝撃。頭に当たった。 ぐらりと揺れる視界、近づく床。 意識は失っていない。 身体が動かないだけだ。
「ねぇ、戻ってこないとでも思ったの」
その声は先程消えた亡者で、冷たく辺りを冷やすような氷のようだった。 話せない。 口が開かなかった。
「ねぇ、姿かーしーてー？」
答えなくても相手はもう俺の姿そっくりに変体していて、ぐにゃぐにゃと気味悪く笑った。 不愉快だ。 直ぐにでも金棒をお見舞いしてやりたい。亡者は俺の姿でキキキと笑うと走って何処かへ行った。
情けない。
なんのためにいつも努力をしているのだろうか。 いつもそうではないか。 いつもならこの情けなさを嘆く感情を力にするが、全く動けないならばどうしようもない。 バタバタバタっと音が聞こえた。4人分。
「あ、谷裂！ 大丈夫か？」
佐疫の声だ。 それに加えて木舌の起き上がれないのか、と言う質問。 田噛の亡者か、何処へ行ったという問い。
声が出ない。 何故だろうか。
木舌が俺を壁に寄りかからせるように座らせた。 知らない奴と犬、知らない奴の首には蛇が巻き付いている。
「貴方さっき階段降りてなかった？」
知らない奴の問いに氷が溶けたかのように言葉が出てくる。
「亡者に、姿を借りられた。 恐らく俺になりきって…、クッソ…！」
「木舌、階段降りてるのは見えた？ 君が彼女の1番近くにいたけど」
「いや、見えなかった。音も聞こえなかった」
「お前の見間違えじゃねえのか」
「知らない人見間違うわけないでしょう」
「と言うより、お前は何者だ。蛇と犬を連れて。 何をしに来た」
「えっ、蛇？ 犬？」
「そう！ おれさ、その蛇に威嚇されててさあ」
「怪しいんじゃねえの。俺にも威嚇してくるし」
「真面目に話を聞け。 俺は後から行くから先に追いかけてろ。 身体が動かん」
「じゃあ、貴女は谷裂のそばにいた方が安全かな」
「まぁ動けないくらいなら回復するかもね」
「じゃあな」
知らない奴を俺に押し付けて3人は走って追いかけて行ってしまった。
「…、足手まといにならないようにするわ…」
そちらを向くと奴の首に巻き付いている蛇にギャシャアシャアと威嚇された。
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おりょうり(プロフ) - 亜鉛さん» 初めまして。最後までお付き合いありがとうございました。続きまで期待してくださりありがとうございます。ボチボチ頑張りますのでよろしくお願いします。本当にありがとうございました！ (2015年9月4日 23時) (
レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - Cm＠すたーしょこらさん» 最後までお付き合いありがとうございました！ 煮詰まったり展開に悩んだりしたのですが完結できて良かったです。本当にありがとうございました。 (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛 - 続き、出来たら見ます！楽しみにしてますね！まぁ、無理にとは言いませんけどね。気長に待ってます！ (2015年9月4日 22時) (レス) id: 80557561c9 (このIDを非表示/違反報告)
Cm＠すたーしょこら(プロフ) - ご馳走様でした。終わってしまうのはとても惜しいですが、読んでいてとても楽しかったです。 (2015年9月2日 22時) (レス) id: 9b965d834a (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - マミむめもさん» マミむめもさん、コメントありがとうございます。 完全に私個人が食べたいメニューとなっております。 これからも更新頑張らせていただくのでよろしくお願いします。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりょうり | 作成日時：2015年8月2日 21時
