ふわふわオムレツ ページ16
今回の亡者は本当に厄介だ。 分裂して攻撃を仕掛けてきて、傷付くと合体して素早く分裂、先程と配置を変える。 この数は楽勝だが、素早く動くのを追いかけるため体力を使い、それが永遠と続くと思うと辛くなってくると予想できる。
「来るな来るな来るな来るなどうせお前もそうなんだろ、私のことなんか何も知らないくせにッ！！！」
亡者がそう叫ぶと同時にオフィスデスクが投げられてきた。
「聞き分けのない貴様の話等聞いている暇はない！」
ガンダガダァンと派手な音を立ててオフィスデスクは自分の振り回した金棒により大きく凹んで床へ叩き落とされた。亡者の顔は絶望うに染まり、ひどく歪んでいるように見える。
「なんでなんでなんでなんで私ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないのどうして人より頑張った筈なのに辛い悲しいもういや来ないでやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて」
「貴様は罪を償わなければいけない。それだけのことだ」
「私は何もしてない。悪くは…、人間が逃げたわ。 あんたらのせいでッ！ 折角折角連れてきたのにッ！！！！」
「知らないな。 隠すのならば土の中にでも埋めておいた方がよかったと思うぞ」
これで観念するかと思ったが、細かく分裂して闇に飲み込まれて何処かへ姿を消してしまった。
「嫌、違う、私は違う。あの子じゃない、やめて、来ないで…！ 」
恐ろしく大きな背、大きな斧を持った人に何階のどこなのかも分からないところへ追い込まれた。 今日は金曜日だからここで死んだら発見まで時間がかかるかもしれない。じゃなくて、私はただ猫を追っていただけなのに。 猫がここへ入ってしまって追うのをやめたはずなのに気づいたら中にいただけなのに。
「は、来ないで…、近付かないで…」
そう言ってもごつこつした足音は容赦無く近づいてくる。しゃがみ込む。どうせ死ぬなら痛くなさそうな姿勢を取りたい。 手を耳に当てる。その手は震えていて、なんだか笑えてきた。と、
耳をふさいでいた手に、何かが添えられ、それが手だと分かったと同時に自分の手を耳から外され細く声が聞こえた。
「君が誰だか聞きそびれたのが悪いんだろうけれど、礼を言うよ。肉じゃがご馳走様」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おりょうり(プロフ) - 亜鉛さん» 初めまして。最後までお付き合いありがとうございました。続きまで期待してくださりありがとうございます。ボチボチ頑張りますのでよろしくお願いします。本当にありがとうございました！ (2015年9月4日 23時) (
レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - Cm＠すたーしょこらさん» 最後までお付き合いありがとうございました！ 煮詰まったり展開に悩んだりしたのですが完結できて良かったです。本当にありがとうございました。 (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛 - 続き、出来たら見ます！楽しみにしてますね！まぁ、無理にとは言いませんけどね。気長に待ってます！ (2015年9月4日 22時) (レス) id: 80557561c9 (このIDを非表示/違反報告)
Cm＠すたーしょこら(プロフ) - ご馳走様でした。終わってしまうのはとても惜しいですが、読んでいてとても楽しかったです。 (2015年9月2日 22時) (レス) id: 9b965d834a (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - マミむめもさん» マミむめもさん、コメントありがとうございます。 完全に私個人が食べたいメニューとなっております。 これからも更新頑張らせていただくのでよろしくお願いします。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おりょうり | 作成日時：2015年8月2日 21時
