本日のメニュー ページ1
がしょがしょと揺れるビニール袋を両手に持ち坂を上がればそこはとてもボロくて汚くて落ち着く我が家。
仕事で疲れて帰れば同居人？ がおかえりを言ってくれる。
それから夕飯を作り食べる。
家の前に坂があるのは少々辛いものの、何年も登り続ければなんてことはない。
ガラッと玄関の戸を開ける。
鍵がかかってない。
泥棒か？ そう思った瞬間、心臓が早鐘のごとくがんがん脈を刻み始めた。
恐る恐る玄関に上がる。
いつもおかえりを言ってくれる同居人？ の声は聞こえない。 かわりに小さな寝息となにか、畳に、擦れるような…！
これはまずいと息を潜め足音を殺しスリッパを履き、寝息のする方へ向かう。
すり、すりっと近づいていけばそこには。
「は？」
暑そうな深緑色の制服？ のようなものを着て、不思議な帽子をかぶった男性の姿が。
手には錆びたシャベルが握られていた。
「えーっ…、あのー？」
ポンポンと肩を叩くと「んっ」と反応をするもすやすやぴー。おのれ。
自分の部屋から辞書を数冊取ってきて、お腹の真ん中にどむっと落とす。今の私は腹が減っている。容赦はしない。
すると男性はむくりと起き上がった。
顔は不機嫌一色。
「おい、何すんだよ」
「勝手に人んち入って起きないのが悪いわよ」
「いてぇだろ！ 何すんだよ！」
そう言うと男性は今まで寝ていたのが嘘のような素早い動きで起き上がり、手に持っていたシャベルを私に向けてきた。今にも腹を打ち抜かれそうである。
ここで恐れていればこちらがおわる。
そこでいつも上司にこき使われて慣れた移動法を使い、履いていたスリッパで男性の顔面を叩いた。 力の限り。
「べぅ」
変な声が顔面に張り付いたスリッパの下から聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おりょうり(プロフ) - 亜鉛さん» 初めまして。最後までお付き合いありがとうございました。続きまで期待してくださりありがとうございます。ボチボチ頑張りますのでよろしくお願いします。本当にありがとうございました！ (2015年9月4日 23時) (
レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - Cm＠すたーしょこらさん» 最後までお付き合いありがとうございました！ 煮詰まったり展開に悩んだりしたのですが完結できて良かったです。本当にありがとうございました。 (2015年9月4日 23時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛 - 続き、出来たら見ます！楽しみにしてますね！まぁ、無理にとは言いませんけどね。気長に待ってます！ (2015年9月4日 22時) (レス) id: 80557561c9 (このIDを非表示/違反報告)
Cm＠すたーしょこら(プロフ) - ご馳走様でした。終わってしまうのはとても惜しいですが、読んでいてとても楽しかったです。 (2015年9月2日 22時) (レス) id: 9b965d834a (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - マミむめもさん» マミむめもさん、コメントありがとうございます。 完全に私個人が食べたいメニューとなっております。 これからも更新頑張らせていただくのでよろしくお願いします。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: 4a266f676d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おりょうり | 作成日時：2015年8月2日 21時
