7,それを人は現実逃避という ページ8
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私は絶対に信じない。あんなに素晴らしい神ゲーが存在しない世界など認めない。
正直名探偵コナンは履修もしていない。
たまにテレビでアニメや映画をやっているのをチラ見したり、最近……2016年くらいから回りがざわつきだした安室透というキャラクターの事だけ。
彼の夢小説を、とうらぶの夢小説を書いていらっしゃる神作家様の書かれたものを読んでみたくらいだ。腐ったものでは赤井さんやコナンくんとイチャイチャ()しているのが支部のランキング上位に上がっていたのをふらっと読んだくらいである。
バーボンというコードネームで黒づくめの組織に潜入している公安警察で、本名は降谷零だというのを、ゼロの執行人を見た友人から熱心に聞かされた。
執行されてこいと喚かれたが、推しへの愛がもし揺らいだらと怖くて出来なかった。それだけコナンくんのブームが影響力を持っていたから。
てか執行されるって表現怖すぎない……?
つまるところ、私はコナンくんの世界など全く興味がなかった。なんでこんなことになった。
私は、行くなら全力で刀剣乱舞の世界に行きたかった。全力で、審神者になりたかった。なんで私は審神者になれないんだ。
目が覚めて、隣にこんのすけがいて、審神者様! なんて呼んでくれるのに困惑している所に矢継ぎ早に審神者について説明を受けて、強制的に初期刀と本丸に連れて行かれて、あーらびっくり私審神者になっちゃった! 推しに囲まれて毎日ハッピー! ……ってのがセオリーじゃね? 神はなんでよう私が知らん漫画の世界に私を送った。馬鹿だったのか。もっと適任おったやろ。もっと行きたいって望んどった人おるやろ。なんで私。てか今の状況を安室の女とか称されていた人たちの中の過激派ファンに見られたら私刺される。私はありがた迷惑なのにな! あまりの理不尽さに涙がちょちょぎれそうだ。
恐る恐る、グー○ルのアプリを閉じてゲームのフォルダを開いた。
とうらぶ。
なかった。
再び、ボロアパートの一室で女の慟哭が響き渡った。
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作者名:dear | 作成日時:2020年3月10日 2時