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3,目からなんか出そう ページ4
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アパートからいつも見渡していた風景は、こんなに窮屈だったか。
こんな近くにビルが建ち並んでいたか。
電車が近くを通っていたか。
そんな訳ない。
もっと物寂しくて、町外れの古民家で、駅から遠い安いアパート、だった。
こんな都会の真ん中に建ってなんかなかった。
どこだよ、ここ。
ふらふらと覚束ない足取りで部屋へ戻る。
夢にしても質が悪くて、悪過ぎて、でも夢である事を期待した。
都会に住んでみたいという私の願望が夢に表れただけ、そう、それだけ。
延々と自分に言い聞かせて精神を安定させる。
ああ、もしかしてもう一度寝てみたら戻れるかもしれない。こんな得体の知れない都会の片隅から消えていなくなれるかもしれない。
一類の望みにかけて、けれど気味の悪いベッドに触れたくなかったので、私はまた床に寝そべった。
どうかこの悪夢が覚めますように、と心の中で念じる。
木材の床のひんやりとした感触がこの上なく現実じみているのに泣きそうになりながら。
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作者名：dear | 作成日時：2020年3月10日 2時
