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11,意☆気☆投☆合 ページ12

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さて、時も場所も変わって博物館近くのカフェにて。
そこでは議論が白熱していた。


「やはり大包平はですね、歴史の中での愛され方がとても素晴らしいと思うんですよ」
「いや、ほんとその通りです。私、あの逸話が好きなんです、マッカーサーが譲ってほしいと言った時の……」
「ああ、あれですか! 僕も大好きです。ほら……」
「「自由の女神と引き換えなら」」
「これー!! 素晴らしい返答だと思うんです!!」
「僕も、これ知ったときは胸が高鳴りましたね……」


きゃっきゃと二人してまるで女子高生が恋バナをしているかのごとく頬を上気させている。話の内容は恋とかそんな甘っちょろいもんじゃあない。

推しへの愛。それだけである。

最初ここに連れ込んだときは困り顔の中に警戒心をにじませていた彼も、私がただの口うるさい刀ヲタクだと知れば態度を緩めてくれた。
目の前に座る安室さんはコーヒーカップ片手にニコニコとご満悦な様子だ。そりゃ好きなものを語っているのだからそうもなる。きっと私も、今は顔がゆるっゆるにになっていることであろう。

それからも三時間ほどはそこに居座りコーヒーを何杯もお替りして乾いたのどを潤しながら喋り続けた。あまりにも楽しい。まさかここにきて推し語りが出来る相手を見つけられる(強制連行)とは思いもよらなかった。

そうして話していた私たちだったが、楽しい時間はふと安室さんの携帯がメールの受信音を鳴らせたことにより終わりを告げた。
ブブッとバイブレーションした携帯を手に取り、彼が少し興奮を鎮める。


「おっと……そろそろ時間が」
「あ……話過ぎてしまいましたね、すみません」
「ッ……、フフッ、今更謝るんですか。変わった人だ」
「う、それは」


くすりと笑いを抑えられないといった様子の安室さんに、確かに、とようやっと罪悪感が湧いた。
顔を引き締めた彼から察するに仕事の内容だろうし、というか私の行動意味わからなすぎな??と、本当に今更な後悔の念。

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作者名:dear | 作成日時:2020年3月10日 2時

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