10,【急募】ツッコミ ページ11
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「拾って下さり、ありがとうございます」
完璧な笑みで以てお礼の意を述べたのは、安室透、その人だった。
いやいやいやいやいや、なんでここおんねん。あんた公安警察やろ。トリプルフェイスやろ。こんな展示会来てる場合とちゃうんやないか。ってか顔綺麗やな……これは友人が推しとして崇めていたのにも頷ける。多忙過ぎて過労死寸前の働き方しとるはずやねんけど肌もめっさ綺麗。どないなっとん。
全力でツッコミをぶちかましたい。そう思う心は確かに存在する。しかし。それよりも、溢れる感情があった。
驚くほどの速さでがしっ!!!!!と。安室氏の、キーホルダーを受け取るために伸ばされた手を掴み、力強く握った。
「!?」
安室氏はなにやら目を白黒させて戸惑っているようだったが、そんなこた私には関係なかった。
「あの!!!!」
「ちょっ、放して、」
「大包平好きなんですか!?」
「……はっ?」
「好きなんですか!?大包平!!!」
「す、好きですけど?」
「っ……!!」
その答えを聞いて、勢い余り感涙しそうになる。
まじか。好きなのか。
そうかそうか、君はそんな奴だったんだな……。なるほどなるほど。
ならば。
「語りましょう!!!!」
「は!?!?」
目をキラキラさせ、満面の笑みで、そう告げた。
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作者名:dear | 作成日時:2020年3月10日 2時