もしも、BADENDになったら… ページ32
…もしも
あの水槽の時。
自決してしまったら…
サラ「………。」
私は、ピストルを手に取った。
コウ「…!おい!馬鹿な真似はやめろ!」
サラ「…メリー…たちは…いってた…
いけにえの…死者がでたしゅんかん…
ゲームは終わる…」
チキ、と音が鳴り、
私のこめかみに、銃を向けた。
サトル「ま……!待て、サラちゃん…!」
サラ「サトルさん…とめないで…
……ショウマさんや、オサム先生を殺してもいいと思ったけど…それは…むり…
私には…ころせないから…
でも…皆にも…死んでほしくない…
…サトルさんにも…チエちゃんにも……」
…だから。
パァン!!!
ゴトッ……
サラ「い"ぁぁぁぁあ!!
わ…わ、私の…腕が…!」
リンタロウ「…!!
銃が…暴発した…!」
ミホ「そ…そんな…」
サラ「ひ…ひゔぅううっ…
いたい…よ………くるしいよ……」
サトル「…サラちゃん…!」
サトルは…血が苦手だったのに。
腕の出血を抑えようとした。
サラ「……はー…はぁっ…さ……とる……さん……
な……んで……」
サトル「……きみを死なせたく…ない…!
それに…あのときも…!
落ちこぼれの私を…励ましてくれたから…!」
…あのとき……
いつだっけ…
…でも……
…………
サラ「………あったかい………
…………あったかいなあ…
……さとるさん……
…………さ……と……る…さん……」
…わかってるんでしょ…?
助からないってこと…。
その言葉が聞こえても…
サトルは、必死だった…。
サトル「……」
静かに、私は息絶えた。
サトル「……サラ…ちゃん…?
嘘だ……サラちゃん…
…………」
…私は、救えなかった。
大切な人を、眼の前で。
その喪失感で…目の前が暗くなる。
血液恐怖症は…発症しなかった。
でも………
それよりも深い、悲しみを…
味わうことになった。
条件を満たし、脱出したサトルは…
血液恐怖症が、なくなっていた。
跡継ぎではなくなっていたものの…
敏腕の外科医として…
多くの人の命を救ったという。
でも…
どれだけの人を救っても…
どうしてだろう。
毎晩…涙が止まらないという。
BADEND
喪失感
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作者名:ライグリール | 作成日時:2024年2月22日 17時