だーれだ？ ページ28
…あの時の人、サトルさんだったりして。
……ふふ…
？？？「……だーれだ。」
後から手を目に回され、
ゴムの匂いが鼻を突く。
この緑色も、白も見覚えがある。
…ああ…
ようやく、会えたんだ。
サラ「………。
さとりゅさん」(ずび)
あっ……しまらない……鼻水出ちゃってた…
サトル「…正解」
顎を持たれて、上を向かされる。
そこに、特徴的な髪の毛。
優しい瞳に、四角いメガネ…
サトルさん、そのものだった。
サトル「…ようやく…会えたね…。」
サラ「…はい…！」
サトル「…ごめんね、すぐに会いに行けなくて…」
サラ「…んーん…こうして会えたなら…いいんですよー…」
すりすり、とお腹のあたりに。
サトル「……サラさん」
コツ、コツと足音が前に来る。
いつもの白衣のサトルさん。
でも…その表情は、いつになく真剣。
サトル「……流されて、打ち付けられる直前…
…言ったこと…覚えてくれているかな？」
サラ「……ん…」(こく)
サトル「……。
改めて、言わせてほしい。
私は…君が好きだ。
君さえ良ければ…私と、付き合ってほしい。」
サラ「……。〜〜〜〜〜〜！？」
ぶわ、と顔が赤くなっていく。
サトル「…私が言えるようなことではないことは、
百も承知だよ。
…けれど…聞いてほしかったんだ、サラ
サラ「……えっと…っ…さとるさ、…
…えぅ…」
…また会えたら。
また会えたら…それで良かった。
それなのに。
それなのに…
サトルさんは、それ以上をくれるのか。
サラ「わ…たっ…
わたしも…サトルさん…すき…です…。
好きで…好きで…
…怖かった。
好きって気持ちを…持っていいのかって…
…でも…会えて……気持ちが、しっかり…固まりました……」
私は、サトルさんに近づいて…抱きしめた。
サラ「………サトルさん…私…
サトルさんと、一緒に居たいです…」
本音を、言えた。
…サトルさんは、依然として黙ってる。
…迷惑だった…かな？
サトル「………」
…真っ赤だ。
お酒飲んだときみたいに、真っ赤。
サトル「……ああ…
……良かった…」
ずる、と地面に膝がつく。
サトル「…あの時…言ったはいいけど…
迷惑だったんじゃないかなと思ってね…」
……なんだ。
サトルさんも、一緒だったんだ。
サラ「……迷惑なんて…思ってない…
とても…嬉しい、です」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ライグリール | 作成日時：2024年2月22日 17時
